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S. ストーンは女優だ! プロコフィエフ:ピーターと狼
シャロン・ストーンは女優である。誰が何と言っても女優なのだっ!!の1枚です。

…何のことかわからないでしょ??だって、シャロン・ストーンの職業は現に女優だし。

ドラマや映画で役をもらう職業人(女性)は皆女優かもしれないれど、職人としての真の「女優」って、もっと狭いものだと何となく思っています。TVに映るきれいなお姉さん、ってだけじゃない、何かが求められると言うか…。

その点、このCDはシャロン・ストーンの「女優の証明」と言っていいでしょう(独断)。
「トータル・リコール」でも「氷の微笑」でもない、彼女の出世作(私的には)。

「ピーターと狼」というクラシック作品は、楽器ごとに登場人物を表す音楽に、必ず子供向けの物語の「語り」を入れて演奏されます。しかも、ロシア人の作曲家が、非常に平易な英語の「台本」を指定しているので、英語モノに関しては、誰の語りでもほとんどが同じセリフ。つまり、読み手の上手さで勝負、なのです。
#日本語モノだと、語りの台本にいろいろ加えて親近感を出したり、が結構あるんですけどね(例:明石屋さんま)。

…そう。この「ピーターと狼」、オーケストラ演奏ではなく、語りを楽しむための、我が「コレクション作品」なのです。

さて、この作品でのシャロン・ストーン。最初の「地の文」は「お子様向けストーリーにしては声に色気がありすぎかな~~」なんて、要らん心配をしてしまっていたのですが、

  元気な男の子、ピーター
  可愛く自信家な小鳥(He設定)
  ドナルドダッグよりアヒルっぽい声の(!!!!)おばさんアヒル
  気まぐれなネコ(She設定)
  ぶつぶつ文句ばっかり言ってるおじいさん
  狼がアヒルを飲み込む音(セリフなしなのに、こんな音までリアル!!)

(以上、登場順)を、全て見事に演じ分けているのです。

いやぁ、この作品、いくつも聴いてますが、こんなにリアルでやかましいアヒルを聴いたことがない。ひとことで言うならば「女優を捨てたような声」を出しているのですが、その演技自体が、「この人はただのきれいなねーちゃんじゃない、職人としての女優なんだ」と人々に訴えるものがあるのです。英語のヒヤリングの簡単なのをやってみたい人も含め、一聴の価値ありです(こういう語りって、10回も繰り返して聴けば、かなりわかります。これほんと)。

自分が子供の時に、こういう「語り」をできる人が身近にいたら、毎日絵本朗読をせがんでましたね。きっと。

プロコフィエフ:交響的物語「ピーターと狼」/ブリテン:青少年のための管弦楽入門/コープランド:リンカーンの肖像
レヴァイン(ジェイムズ) 聖ルカ管弦楽団 プロコフィエフ ストーン(シャロン) ブリテン シェール コープランド サミュエル・L.ジャクソン / ユニバーサルクラシック
スコア選択: ★★★★★

シャロン・ストーンの女優っぷりだけでも5つ星モノ。凄いです。アヒルの物まねをあんなにリアルにできる女優って…。


ちなみに、3曲目の「リンカーンの肖像」には、あのゲティスバーグの演説を含め、リンカーンの名言が満載(ちょっとくさいが)。P.D.Qバッハ(いつか必ず紹介します)の「J.S.バッハの肖像」の元ネタだ、ということに、本家を後から聴いて、気付きました。
by cantotanto | 2004-07-30 02:21 | 語り系&冗談クラシック
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