合唱による合唱のための伴奏 マルタン:二重合唱のための無伴奏ミサ曲
a0036057_355541.jpgお待たせしました(誰に言ってるんだ??)。私が学生時代に歌った中で最も難しかった曲の1つ、マルタンの二重合唱のための無伴奏ミサ曲、今年出た新譜です。

この曲、SSAATTBB+SSAATTBBの全部で16声部になっておりまして、パートリーダーが4人しかいない団だと1つのパト練で最大4つ音を取らねばならない、という手間ひまのかかる曲です。
タイトルに無伴奏ミサ曲とある通り、演奏はア・カペラで行われるのですが、この曲が贅沢なのは普通のア・カペラ曲と違って、伴奏がある曲の作りになっていることです。そう、合唱で合唱を伴奏する、そのための二重合唱曲。ここではほとんどの場面で、第2コーラス(通称2コラ)が伴奏役を押し付けられる受け持つこととなります。
#お経みたいにぶつぶつやることが多いんですよねぇ。1コラの主旋律はとてもしなやかできれいなのに…。
片方のコーラスがすっぱりと切れて、もう一方のみが歌っているときの響きが、ちょうど普通のア・カペラ曲の感じになります。

さて、曲の構成はさておき、この録音、この伴奏が非常にきれいに織られている印象です。そして透明感がある。決して吼えない、叫ばない。コントロールされた声質の中で、曲想を上手く表現しています。1・2コラの同声部が掛け合いをするような場面でも、声質の統一がいい具合にとられていて、神秘的なロングフレーズに聴こえてきます。理想ですね。ダイナミクスが付いているのはいいことですが、クルマの中でppをよく聴ける音量にすると、ff高音部が割れちゃいました。まぁ、これはディスクのせいだけではないでしょう。
封入冊子の裏表紙の合唱団員の集合写真(近頃の流行?)で確認できたのは33人ですので、1パートをほぼ2人でやっているのは間違いないでしょう。戦後間もなく(1948)から活動している合唱団だけあって、団員の平均年齢は決して若くない感じ。そう気付くと、「人間の顔」で紹介したACCENTUSとある意味対照的な落ち着き方も納得です。

そして、この録音の聴き所は、「無音」。透明感のある声のア・カペラ合唱が、不純物のない「無音」の上に乗っている感じが、運転中でもぐっと迫ってきました。本当に良いホームシステムを組まれている方が聴いたらまだいろいろあるのかもしれませんが、この感覚は久しぶりですのでやはりそれなりに良い録音なのかと思います。
#夕立去って気温が下がり、エアコンオフに出来て初めて気がついたこと。ありがたや。

一緒に入っているメシアンの曲には、金管吹く方にはお馴染みの「tukutukutukutuku」のダブルタンギングを使った、いわば「皆でボイスパーカッション」な曲もありました。メシアンってあまり意識して声楽曲を聴いた事がなかったのですが、アカペラ曲でも「前衛的な現代音楽度」と「敬虔なクリスチャンの書いた音楽度」が程よくミックスされていて気持ちよかったので、もっといろいろ漁ってみようかな。

しかしharmonia mundiさん、マルタンの曲には(仏)、英、独の対訳を付けているのに、メシアンの曲はフランス語止まりなのはなぜっ?しかもフランス語のCinq Rechantsの方、1/3くらい謎の外国語の歌詞(→インドの詩らしい)なのに対訳なしですよ…意味がわからない…(泣)。


余談ですが、このCDを仕掛ける時点でライフログ検索に引っかからなかったのが、いざここに記事を書こうとすると出てきた。しかも8/10リリースの予約販売になっている…。結果としていい宣伝になってしまうのかしらん。Amazon.co.jpって輸入版の新譜が遅れて入る傾向がある。ひょっとしたら.comや.co.ukでの売れ行きを確認してから入れてるのかな?まぁ、急ぎたい人(いるのか?)は.comから直接送らせればいいのでしょうが。


<DISK情報(CD)>
Frank Martin: Messe; Olivier Messiaen: Cinq Rechants HMC 901834
Frank Martin Olivier Messiaen / Harmonia Mundi
スコア選択: ★★★★★

無音の闇の上に織り成される声のタペストリー。決して無茶はせず、破綻することなく、透明感のある音楽が広がっています。メシアンのCinq RechantsはTuttiボイパと言うべき面白い効果も聴きモノ。

Frank Martin(1890-1974): Messe pour double chœur a cappella 二重合唱のための無伴奏ミサ曲
Olivier Messiaen(1908-1992): Cinq Rechants 5つのルシャン
合唱: RIAS Kammerchor (Berlin)
指揮: Daniel Reuss
録音: 2003年9月&11月  ベルリン イェーズス・クリストゥス教会にて
Total time 66'36 DDD DeutschlandRadio 2004

入っている曲
マルタン: Messe pour double chœur a cappella 二重合唱のための無伴奏ミサ曲(1926/1963初演)
       Songs of Ariel  エリアルの歌(シェイクスピア「テンペスト」より)(1950)
メシアン: Cinq Rechants 5つのルシャン(1948/1950初演)
       O sacrum convivium おお聖餐よ(1937)
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by cantotanto | 2004-08-08 03:54 | 合唱曲
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