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贅沢な市民オペラ(!…またの名をない物ねだり)
いやぁ、贅沢でしたわ。本日のO田区民オペラ。

これまで2年に1度オペラ、間の年はコンサート形式という活動だったそうなのですが、今年は「シモン・ボッカネグラ」、来年は「マクベス」と、ヴェルディの重いところ2年連続が確定だそうです!

企業からの賞金とか、根強い後援会があったりという事情があるようですが、とにかく区民オペラとは思えないキャストと内容で贅沢贅沢。大御所&有能な若手をふんだんに起用しての土日ダブルキャスト!そして1300席(この席数だと本当はおカネ集めには厳しいのよ、贅沢公演なのよっ)ほぼ満席!
#明日はカ○レの練習だから今日客席でお会いした組は明日のメンバーを観られない訳だが。

で、本日の「シモン・ボッカネグラ」。ナマで、というか、通してちゃんと観るの初めての作品です。
3幕のオペラで「25年前」のプロローグ付きなのですが、これが長くて1幕分きっちり。実質4幕のオペラですね。
主役の「父ちゃん」と「爺ちゃん」はちゃんと25年経ったら老けたというこしらえをしなきゃいけないから大変です。

本日の白眉は最終幕、もう死にそうな「父ちゃん・シモン=バリトン:大島センセイ」と「爺ちゃん=バス:佐藤泰弘(今回の中では若手です)」の二重唱。曲も声も場面も滅茶苦茶重いのですが、豊かな倍音+正確なアンサンブルにより、舞台上は2人なのに四重唱くらいをやっているかのような音が鳴りわたり。で、幻の歌手が歌っているかのような美味しい倍音(第3音渡り歩きとか)のメロディーをさりげなく管が補っているという。ヴェルディのセンスと本日のキャスティングの勝利!という感じの響きでございました。「婿ドノ=テノール:太朗センセイ」も流石の響きで出てくる度に大拍手でしたねぇ。
#実年齢関係なく声の高低で役柄の老け度が決まっていくのが流石オペラですけど…違和感ないですよ、ええ。

あと、最初はシモンの出世の立役者だったのに、自分の縁談&策略を潰されて逆恨み悪役キャラに凋落していくパオロ役の甲斐さんのお声も素晴らしかったと、客席からも特に出演者陣(ケイコでいっぱい聴いてる)からもベタ褒めでした!響きのよいバリトンで確かに凄い!のですが、作品にどっぷり入っていくとモノスタトスやベックメッサーを上回る(下回る??)勢いでキャラが凋落していくので、何か後味が微妙なんですけど…(苦笑)

で、明日のキャスティングも相当豪華で出演者オススメコメントもいろいろありました。


合唱を含めて衣装も演出も本格的、アマチュア団体演目でここまでの贅沢はなかなかできないなぁと垂涎の思いで観ていたのですが…出演者ビューだと「あのソリスト陣の場面場面を客席から観られること」が羨ましいのだそうで(H夫妻談)。
指揮者ビュー好きとしては舞台上のほうがむしろ贅沢ではないか、とは思ったのですが、合唱の出番が決して多くはないこの作品、袖(=戦場)では邪魔だから楽屋で待機、の時間帯が大分多かったそうです。なるほど、それは美味しく頂きましたですわ。
#そういやカ○レのマイスタージンガーの時も、村祭り開催まで1時間以上楽屋のモニター観ながら雑談してましたねぇ…(回顧)

でもやっぱり出演者が羨ましいっ、と思いながら帰途についたのでした。
by cantotanto | 2009-08-30 01:53 | 聴きに行くこと
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