カテゴリ:外国語曲のことばのこと( 47 )
It's GREEK to me!(…日本語ですが)
「ふるさとの四季」を作曲者の棒で歌おうという地元企画に、お声掛けいただき参加しております。
音は取れてる皆さんの所に後から行って初見大会、が先週のこと。

唱歌は本当に、恐ろしくって…

・曲は知ってるものばかり(でも「鯉のぼり」は最初しか知らなかった…)
・節も子供のころ聴いたものばかり
・歌詞は日本語だが完全文語がひらがなで書いてある

のトリプルで、「何となく子供のように歌う」ことは出来ても「大人の音楽」にできません(滝汗)

例えば「夏は来ぬ」(季節外れですみません。古英語だとSummer is icummen inか!?)

 うのはなの におうかきねに 
 ほととぎす はやもきなきて
 しのびねもらす なつはきぬ

なんじゃこりゃ。現代語で使いそうなのは「垣根」「ホトトギス」「夏」位じゃないでしょうか。
これがまた「はやもきなきて」が少し音痴っぽい跳躍音なので、主旋律歌ってるソプラノさんたちが「わかってない」と、一発で「わかってない」ことがはっきり見えてしまいますw

で、今週はちゃんと、予習しました(悪筆はご愛敬で)。
a0036057_031966.jpg

もはや外国語扱いです。最近はよっぽど「初見」の歌詞でなければここまでしっかり書き込みません。
漢字のイメージを頼らないと意味がわからないくらい、文語って遠くなっちゃったんだなぁと反省。

これでもまだ「卯の花の匂い」や「時鳥(ホトトギス)の鳴き(ここは啼きを使うべきだったか)声」をリアルにイメージできていないので、やはり自国の文化へのなじみの薄さを痛感でございます。
#2番は「和服姿の若い娘さんが手で田植えしてるところ」をイメージすれば…って、この絵も現代から遠いですねぇ…

この作業のお陰で「げに→実に」「さながら→宛ら」という漢検級の豆知識も得てしまいました。うん、普段使ってないです。

少しでも大人の日本語曲が歌えるように、期間限定ですがいろいろ精進してみますです。
[PR]
by cantotanto | 2011-09-13 00:09 | 外国語曲のことばのこと
「後ろから訳せ」とは言われますが…
ただ今、来月のヴェルレク本番プログラム用に対訳小悩み中。
いや、前回も同じ団体でレクイエム(デュリュフレ)だったんだから使いまわし可じゃん!と思っていたら、立ちはだかる長大な「Dies irae(怒りの日)」のテキストにtremorっています…。

昔々、中学校の英語の先生に「後ろから訳せ」と言われていたこと(*)は往々にしてラテン語にもあてはまりまして、極端な例だと以前カルミナ・ブラーナぶっちゃけ意訳でこんな感じで使いました。
(*余談:きれいな訳文を作るには有効ですが、今は必ずしも英語勉強法として推奨されてないようでして。例文は面倒くさくて出しません、ごめんなさい)

Gloriantur
et letantur
in melle dulcedinis.
qui conantur,
ut utantur
premio Cupidinis;

  クピド(キューピッド)のご利益を
  いただきたいもんだと
  たくらむ奴は、
  甘い歓喜の蜜の中で
  自信満々になって
  楽しいことをしてみよう。

最後の行から、ほぼ順番に訳しております。流石に本番用は3行ずつで切って倒置にしましたが。

団員用に逐語訳も添えていて、補助として意味の通る日本語の訳文を載せたい時には、対訳の行数を揃えつつも、こんな感じで自由に行を渡った訳を作っております。


で、今回悩んだのがすでに団員用に配っているコレ↓

Dies iræ, dies illa,
solvet sæclum in favilla,
teste David cum Sybilla.

  ダビデ王と巫女シビラの預言の通り、
  この世が焼き尽くされて灰になる
  その日こそ、怒りの日。

日本語として読むなら「英語のセンセイの言っていた通り」に後ろの行から訳すこの形が正解、だと思うのですが…。
さらっとテキストが流れるケルビーニやせめてモーツァルトのレクイエムまではこれで許されそうではあるのですが、"Dies iræ, dies illa"部分をハデに扱い、しかも曲中何度もこの部分を出してきているヴェルディさんだと、「ダビデ始まり」はやはり問題だと思いまして。

今回、まじめな行対応の対訳とすべく、

  その日こそ、怒りの日。
  この世は焼き尽くされて灰となる。
  ダビデ王と巫女シビラの預言の通りに。

と倒置してみました。
うん。これで行ってみよう。

モンダイなのは一事が万事こんな感じで考えなきゃいけないテキストが3行×18連あることでございましてorz
苦労を楽しみたいと思っておりますです、はい。
[PR]
by cantotanto | 2011-05-20 12:59 | 外国語曲のことばのこと
ただ今、タイヤキ三昧♪
あ、間違えました。現在、対訳三昧モードのcantotantoです。
アンコが苦手なので鯛焼きより対訳作業の方が好きです。

正月休みはしっかり正月休んでしまったのですが、

・昨日、(某会のやすおんにおける浮気?曲)メンデルスゾーンのお耽美な哀悼歌の対訳を作り、
 #何だか谷崎潤一郎あたりのような暗くて耽美な死者礼賛の詩かも…(←これが本年1作目w)

・ただ今、同じくやすおんで初「語り」に挑戦すべく某童話の訳を書き込み中で、
 #「ふぇるじなんど」の名にピンと来る方、もうしばらくお待ちください。センデンします。やすおん本番は1/22(土)午後デス

・あと今月中旬までにレクイエムの対訳資料を2本作る予定なのでさあ困った。
もちろん下訳というか、過去に作った資料はいっぱいあるし(ケルビーニのために1回作ったので、ないテキストはない状態)本当におなじみなのですが、

「フォーレのレクイエム」は歌ったことある合唱団用の「モーツァルトのレクイエム」資料
    と
「デュルフレのレクイエム」は歌ったことある合唱団(+オケ)用の「ヴェルディのレクイエム」資料

の2点をいかに同時に効率よく作るかが、悩みどころです。
(団体毎にセンセイの要求事項に合わせてフォーマットを用意してあるのでいきなり揃えられないのです…)

要はフォーレとデュルフレ(使用テキストの構成が基本的に一緒)が使ってない続唱「Dies irae」をいかに手抜きして挿入するか、がカギでございます。

まぁ目の前のものを少しずつ片付けるしかありませんね…。無理しない範囲で、になりますが。

そういや…明日のレッスン前にシューマン「ミルテ」のNußbaum(くるみの木)の歌詞を確認しておきたかったんだった…(これは音楽以上に可愛い少女趣味調のはず…なのですが今晩は無理やなorz)
[PR]
by cantotanto | 2011-01-05 23:17 | 外国語曲のことばのこと
【コテコテ続報】ネェちゃんら、こっち来て一緒に嘆いてぇや…に続く壮大なドラマ、の続き【大阪弁】
大阪弁字幕のマタイ受難曲記事、19曲目までの記事の続きデス。
お初にご覧になる方は是非こちら↑の前記事からどうぞ。

第20曲~第23曲 オリーブ山とペトロの否認の予告

・当たり前ではありますが、旧約聖書の預言を引用するかっこいい部分(0:44~)もコテコテに大阪弁w
・何だかコラール隊がものすごく美味しい目にあってるみたいに見える字幕!(1:55)
・エヴァンゲリストはん、2:40~で"aber"を「ほなら」と言わはりました(爆)ちなみにその直前、コラール隊のソプラノさんが倒れちゃうんじゃ、という感じの動きを見せててちょっと心配。
・ペテロの否認の予言(特に3:19~)と、それを拒むペテロのセリフ(キメは3:38~)もえろう味があります。音符よりもやたら文字が多いような気もw

第24曲~第26曲 ゲッセマネでの「起きていろ」です。

・イエスはんがここでゆっくり「待ってろ」って歌うから眠くなるんじゃ…って、これは字幕とは無関係でしたね(汗)
・イエスの悲しみを表すエヴァンゲリスタのフレーズ(1:11~)、字幕からも悲しみが…たぶん伝わると思う。
・実は「私の魂が死ぬほど悲しい(原文の単語に忠実に訳さない大阪弁は名訳かも)」と「ここにいて起きていろ」の2文には接続詞がないのですが、ここ(2:13)に意訳で挿入された大阪弁らしい接続詞が素晴らしい!
・テノールソリストと第2コーラスの掛け合いになる第25曲は、特にコラールの訳詞が秀逸かと。
・次のアリア(4:30~)も、同じセリフで繰り返すコーラスの歌詞が絶妙のツッコミ感でよろしいですねぇ。しかし次の展開を知っていると、ソリストの「起きてまっせ」自体にツッコミを入れたくなる軽さです。
・中間部のツッコミ隊(あれっ、7:14~)もなんだか大阪のオバちゃんがぐだぐだ説明してるみたいでちょっとおもろいです。

第27曲~第29曲 ゲッセマネの祈り1回目のシーンです。

・1回目の祈り(0:26~)、Mein Vaterの呼びかけが良いです。特に「御心のままで」のくだり(0:52~)が丁寧そう。
・この祈りを客観的に捉えたバスのレチタティーヴォ(1:11~)、特に冒頭の状況説明が良いです。
・この3曲を通じて、イエスが飲まなきゃいけない杯は非常に飲みたくない形容詞で飾られているのですが、レチタティーヴォの1:59が一番飲みにくそう。
・アリアの冒頭(2:43~)の歌詞もガツンとくる大阪弁です。ソリストが苦しそうに歌えば歌うだけ、笑けてくるのはごめんなさい。

第30曲~第32曲 眠ってた弟子怒られる1回目~イエスが捕えられるシーンまでです。

・起きてられなかった弟子たちに怒るイエス(0:13~)の字幕の勢いもクレッシェンドw
・コラール中盤、mit Maßen をこう(2:24~)訳すとは!思わずこんな意味あったっけ、って辞書引いちゃいました。
・そして3:33、いよいよ捕えられると宣言する時の「見よ」Seht,が大阪弁ではこうなるわけですね。3:56~のくだりも迫力があります。
・そしてユダさんが決めてた合図が4:38~。笑いました。なんてオモロいキャラなんだ。エヴァンゲリスタはんに4:56で同じ言葉を使われてますね。ちなみにユダはんがは~っきり巻いて下さったおかげで「ラビ」の頭文字がRだと認識できました。


おおっと、コテコテマタイのアップは今のところここまでのようです。
akamadoshiさん、続きをお待ちしております。勝手な応援ですみません。

この後、ペトロさんが3回「知りまへんで」と嘘をつき、鶏が鳴いて「ごっつう泣いた」あたりや付随するアリアなど、ものすごく読みたいです。
「オトン、オトン、何でわてを見捨てたんや」とかも是非!

いつか「わてら膝がっくし付いてオイオイ泣いとります」とかで終曲、いかがでしょう?


他の曲でリクエストあれば何かいじってみたいものです。
カルミナ・ブラーナとかはナマナマ過ぎるから全曲はようしませんが。
[PR]
by cantotanto | 2010-06-25 01:08 | 外国語曲のことばのこと
【コテコテ】ネェちゃんら、こっち来て一緒に嘆いてぇや…に続く壮大なドラマ【大阪弁】
マイミクあるちゃんさんの昨日のつぶやきでガツンとやられてしまいました。
YouTubeで繰り広げられる「コテコテ大阪弁訳『マタイ受難曲』」 by akamadoshiさん。

映像と音声はごくノーマル(真面目だし、上手いぞ!)の正調マタイなのですが、字幕がコレ調なのです。

コテコテ大阪弁訳「聖書」愛蔵版

データハウス


この本、「聖書」と言いつつ「マタイによる福音書」しか訳されていない(残念っ)のですが、これを参考にして大阪弁で字幕作ってみました、というのがこの作品の趣旨…なのですが…

聖書の朗読(エヴァンゲリスタはんがだんだん探偵ナイトスクープあたりに出てるオッちゃんに見えてくる…)やイエスはんのセリフはともかく、コラールやアリアの数々が爆訳です。素晴らしい!

まだ未完のようではありますが、貼りつけて「聴きどころ」ならぬ「字幕読みどころ」のオススメを勝手に解説しちゃいます。
#akamadoshiさん、勝手にごめんなさい…。

冒頭部を勝手にタイトルにしちゃった第01曲はまだなくって、まずは第02曲~第08曲。マタイによる福音書第26章の冒頭からスタートです。

・第03曲のコラール(1分04秒目(以下1:04)~)の訳!こんなわかりやすいコラールの対訳、初めて見ました!気取った訳より、ずっとコトの深刻さとイエスはんへの思いの深さが伝わります。
・第05曲(2:27~)の祭司長たちのやいやい言うのもわかりやすい!
・イエスはんに香油を注いだ女性…の言われようが凄い!コトバとしては第6曲(2:43~)のエヴァンゲリスタにさりげなく言われてるのですが、イエスはん(4:04~)にとうとうと言われると笑う所じゃないのに笑わざるを得ません。これ、次↓のアルトソリストにもしっかり引き継がれます。

第09曲~第10曲 アルトの美味しい所です。

・あかん、レチタティーヴォで本人が名乗ったら(0:17)あかん。もう大阪の○○ちゃんにしか見えなくなってきちゃってごめんなさい…
・2:53~の第10曲アリアの中間部もええ感じ。香油の香りって、こう表現しても…ええんかいな。

第11曲~第12曲 ここでユダさん登場です。

・あかん、ユダさんの最初の一言(0:10)でガツンと来ます。完璧にナニワのアキンドです。商談の結果を淡々と伝えるエヴァンゲリスタ(0:18)との隙のないやりとりがまた笑えます。
・そしてやってくるソプラノはんの名曲、Blute nurなのですが、←のドイツ語をこう(1:11~)訳すとは!もう血を流すしかない…はずなのに笑いも止まりません。そないに畳みかけんといて~w
・中間部(2:44~)も、男性のイエスはんに向かってわざと母性をもって弟子を育てたように書かれたちぐはぐさ(これはもともと)がわかるように訳されてます。大阪弁って性別を区別して言いやすいんですなぁ。

第13曲~第17曲 いよいよ最後の晩餐です。

・イエスはんのここぞという時の語りだしの口癖、”Amen, amen"が巡り巡ってこう(2:09)訳されるとは!真に迫ります。
・そして…たぶん記事の画像に出ちゃってるけど、「この中に裏切り者が」って言われた後の弟子たち(2:52)の"Herr, bin ichs?"がごっつわかりやすい大阪弁に!是非2:39~のエヴァンゲリスタからご覧ください。
・当然、これを受けて"Ich bins"で始まるコラール(3:05~)もものすごいことに!だまされたと思うて20秒位は読んでみて下さい。大阪弁の表記、楽しいわ~。
・イエスはんも味があるのですが、やっぱりナニワのユダやんの一言(5:28)が、歌い手の表現の上手さと相まってなんとも言えまへん。
・パンと葡萄酒のシーンも素晴らしいのですが、特に後者(6:47~)がぐっと来ます。クライマックスは7:25~、どんだけ多くの人を救われるおつもりか、ようわかりました。

第18曲~第19曲 ソプラノソリストの美味しい所です

・レチタティーヴォの0:22あたりを見ていると、だんだん女性ソリストが皆大阪の○○ちゃんに見えてくる…
・そして0:30~ええもん貰えて幸せ…やけど字で見ると血ぃはやはりちょっと怖くておもろいです。
・19曲目のアリアも熱烈なラブソングな名曲…なんですけど、冒頭(1:41)から味があります(あ、たぶん↑に字が出ちゃってる…)。ここのschenkenの語や直後のsenke dichに対応させた中間部のversenkenも「沈み」感が上手く出ていて素晴らしい!(2:51)


いやー、これだけおもろいモノを観させていただくと、自分でも何か作ってみたくなりますねぇ。動画にきっちり合成するかどうかは別として。
残念ながら私はネイティヴ・オオサカンではないのでテケトーな言葉しか書けませんが、いつか大阪弁訳、作ってみたいものです。
#その時はやっすんちゃんに監訳をお願いしますかねぇ。

手元に下訳があるBWV106、226~228(モテット2~4番)、248(クリスマスオラトリオ)前半あたりならあまり手間かけずに作れそうではあります(あれ、モテット5番も何か作った記憶があるが見つからない…)。
ラテン語の聖歌もいいけど、やっぱりバッハの合唱ありアリアありの造りのが楽しそうですねぇ。

問題は底本にすべき大阪弁訳本にマタイしかないこと…本当はヨハネ受難曲第1部とかさらわないとなんですけどねぇ…

100625追記 続きの20曲目~はこちらの次記事のほうに掲載しました。併せてどうぞ!
[PR]
by cantotanto | 2010-06-22 00:28 | 外国語曲のことばのこと
ラテン語最強!かも。
わかってはいたけどラテン語の格変化&名詞化力って凄い、と思った昨日の「ひとこと」。
出典は新約「ヘブライ人への手紙」12:25冒頭文。

新共同訳:あなたがたは、語っている方を拒むことのないように気をつけなさい。
ドイツ語:Seht zu, dass ihr den nicht abweist, der da redet.(現代本もルター訳も訳文は同じ。最近は本当にエスツェット使わないのね…)
現代英語:Be careful, then, and do not refuse to hear him who speaks.

うんうん、「語っている方(←暗に男性)」を説明しようとするとこうなりますね。

これが欽定訳の英語になると

英欽定訳:See that ye refuse not him that speaketh:

お、現代英語よりずいぶん短い。ここで、「きっとギ・ラ語はシンプルに違いない」と思ったのですが…

ラテン語:videte ne recusetis loquentem
ギリシャ:Blepete me paraitesesthe ton lalounta(比較用にアルファベットで書いてみた)

ははは。ラテン語本当に短い。
否定命令の作り方が古い英語に負けず劣らずにシンプルな上に、loquentemの1語で「語って+いる+男性単数+を」の情報が全部入っているのが勝因です。間違いなく訳文と同じだけの情報が入っています。
原語のギリシャ語も構成はほぼ変わらないのですが、動詞の活用が長くなりがちなのと定冠詞が必要な分、ラテン語に負けてしまったようです。

短いモットーをラテン語で書く習慣がしぶとく残っているのも、何だかわかるような気がします…。
[PR]
by cantotanto | 2010-01-06 23:09 | 外国語曲のことばのこと
1年の計は元旦(の分)から!
年末の教文館で、以前から気になっていたこんな本を買ってしまいました。

Die Losungen der Herrnhuter Bruedergemeine fuer das Jahr 2010. Grossdruckausgabe

Reinhardt Friedrich Verla

amazonでやたら安くてびっくり(苦笑)

毎年出ているLosungen、ドイツ語の意味はもともと「くじ引き」なのですが、この場合は「1日ひと聖句本」という感じ(実際には旧約と新約が1節ずつ)。

a0036057_028737.jpg宗教曲の翻訳の地力上げのために、いろんな外国語の復習&日本語訳文(特に新共同訳調を目指しているのに普段あんまり読んでない…)の確認をしたく、年の始めからちと勉強を自分に課してみようと思い立ちました。やることはノートに独・日・英・ラ・ギ語で聖句を書き出すこと。こんだけ並べることで敢えて辞書引かなくても単語や文法のことを結構思いだせるので。

これを思いついたのは書店の同じ本棚で原語版のLosungenを見つけたから。

Losungen in der Ursprache 2010

Reinhardt Friedrich Verla

これ、いいんだけどヘブライ語が全く読めない自分には買っても旧約分が無駄になっちゃうのでやめました。

a0036057_0305131.jpgで、写経用の資料がこちら→
内訳は
・ドイツ語:Losungenの現代訳と、ルター訳
・日本語:新共同訳、口語訳、新改訳。つい文語訳もポチってしまいました(汗)
・英語:高校卒業時に当時通っていた教会からお祝いに頂いたToday's English Version(TEV)と、欽定訳(KJV)
・ラテン語:Vulgata訳
・ギリシャ語:旧約は70人訳、新訳は原語版(英語の解説が結構多いもの)
これ全部引いてると大変だ、ということが1日からの分を一気にこなしてよくわかったので、1日ノート1ページを上限に、少しずつ引いてみます。
#下手な図書館より資料、揃ってます。なんだかなぁ…

いやぁ、これやってると
・ギリシャ語からヨーロッパ言語への翻訳はあまり迷わなくてもできそう
・一方、日本語を作るのは大変で版ごとに苦労の跡あり
・でも、ドイツ語も英語も、現代語に合わせようといろいろ訳文の工夫はするようになってきた
のが何となく見えてきます。

どれだけ続くかわかりませんが、気長にやってみますです。
[PR]
by cantotanto | 2010-01-05 00:42 | 外国語曲のことばのこと
ブルックナーが込めたメッセージ。
いよいよカ○レ演奏会の当日となりました。
練習を進めながら、これだけはここに書いておこう、と思ってたことを書かないまま日付が変わってしまいまして(汗)。

ドイツの作曲家には珍しい、敬虔なカトリック教徒かつオルガニスト出身のブルックナーさんは、ミサ曲を書くにあたって結構真面目にテキストを扱っています。
聴いてわかるところ、うたって美味しいところをざっとご紹介。

・Credoのイエスの生涯説明、こだわり続ける
テキストが長い長いクレドですが、「父なる神を信じる」に続く「子なるキリストを信じる」くだり、「天から降りた」以降の時系列描写が実に丁寧。

「降りた」にあたる"descendit"は何らかの「下降」形で示されることが多いのですが、ここでは「降りた」感を出すために「音階で登ってから音階で降りる」という形で示されます。弦楽器がさらに降り続けて、最後は古いエンジンが止まるみたいにブスブスと停まってご到着。

「受肉」を示す"et incarnatus est"以降はテノールソリストと女声合唱、そしてVnとVlaのソロで神秘的に示すのは定番。「人になった」を意味する"et homo factus est"は男声が示して、一人の大人の男性としてのイエスが立ち上がる感じになります。受難のシーンもうまくつながりこれも定番を外しません。

で、凄いのは復活以降。聖書時代の出来事であるめでたい「復活した」「天に昇った」と未来である恐ろしい最後の審判に「やがていらっしゃるだろう」をつなぐ「(イエスが天に)座っている」という言葉("sedet")を3回繰り返し、この間に世紀末的な調性にじわじわと転調していきます。
さらに最後の審判になると「生きている人を裁くために」という"judicare vivos"をひたすら繰り返し(特にアルトに対する人使いが荒い)、今生きている人の恐怖をあおります(たぶんその狙い)。

あの長いテキストの中で普通の作曲家が敢えて強調しないところをふんだんに紙面を割いて丁寧に伝えています。この辺がドラマティックなので、ついて行けたら情景を思い浮かべながら、で、よろしくお願いします。

・Sanctusは3回言うものである。
こんだけ長いミサ曲なのに、Sanctusの冒頭語はお約束の通り3回に納めています。女声と男声の掛け合いで、各人ちゃんと3回だけ言うようになっている。これこだわってる曲意外と多くないです。

・こっそりイレギュラーな単語を挿入
a0036057_126276.jpg最後の最後の盛り上がりで、「私たちに平和を与えてください」を意味する"dona nobis pacem"をひたすらたたみ掛ける。この終わりの女声の1回に"da pacem"ってフレーズが入ってます。
実はdaもdonaも同じ「下さい(英語でgive命令形)」なので意味は変わらないのですが、オーソドックスな典礼文テキストにはない単語を使って、このリズムを出したかったのではないかと思っております。

#キリスト教のラテン語は時代が下るにつれて合成語や長く変化した単語が好まれてまして(ミサ曲だとconsubstantialemあたりが典型)、もともと古典ラテン語ではda(辞書に載ってる1人称単数現在形はdo)のほうが普通だったものがその派生名詞donum(贈り物)あたりを経たdono(命令形dona)の方がよく使われるようになったみたいです。
##古めのテキスト、例えばVeni creator spiritusあたりではdaがありましたね。

合唱指揮のABセンセイには「あとは祈りが足りない」と言われました(大汗)ので、本番はテキストを尊重した真摯な気持ちで参りたいと思います。
さぁて、寝ますか。
[PR]
by cantotanto | 2009-11-29 01:38 | 外国語曲のことばのこと
「怠け者天国」は実在(?)した!!
カ○レ本番でプログラムに挟む歌詞対訳のツメ作業を(たぶん)終えたcantotantoです。
#これが拙訳の東京デビュー、と思ってましたが、よく考えたらシャインの「泉」オリジナル曲の翻訳@やすおん がありました(汗)

カルミナ・ブラーナで女声がすっかり観客になれる第2部、食われた白鳥の歌に割って入るバリトンの酔っ払い節、

♪Ego, ego, ego sum abbas, sum abbas,
 sum abbas Cucaniensis~~~♪

というのを、いくつかの訳を参照しつつ

「俺は怠け者天国の修道院長様だ」と訳し、クカニアという言葉を使ったお店とかも見つけてはいたのですが…クカニアがどんな国なのかは深くは考えていなかったのです。ええ、今日まで。


本日、職場で作業スペースに敷いた古新聞の日経新聞で偶然見つけちゃいました。
ブリューゲルの描いた絵、その名も『怠け者の天国』!
英語だとタイトルは”The Land of Cockaigne"ですか…

衝撃の絵はこちら。
[PR]
by cantotanto | 2009-05-21 01:36 | 外国語曲のことばのこと
【2曲とも】ワークショップの資料、懲りずに作りました@東久留米用
(ワークショップが始まるまで、トップに置いておきますね)

この週末に勉強しよう、と思い、今回もシュトラウベ先生ワークショップ用の非公式歌詞対訳資料を作ってみました。
まだシャイトの曲の分しか入っていませんがバッハも足して2曲揃いましたので、こちらのフォルダに置いておきますのでご自由にお持ちください。

2日間くらいのやっつけ仕事ですので、間違いがあってもご容赦くださいませ。

今回の2曲のお題は「GW時期→ペンテコステが近い→聖霊&言葉」という発想でつながってるはず(そういやウィッカムさんのMアンサンブルの時もそうでした)なので、一緒に使徒言行録のペンテコステのくだりも引用しております。

【言い訳】
シャイト:
・"ignem accende"は「イーニェム・アッチェンデ(イタリア読み)」と「イgネム・アッツェンデ(ドイツ読み)」の間のどこかに振れる可能性あり。前回"Agnus Dei"は「アニュス・デイ」だった記憶がありますが。
・楽譜屋さんの単語の切れ目はともかく、作曲者自身が辞書と違うアクセントを想定していそうなところを発見したのですが…中世を経てこだわられなくなったのかなぁ、第5変化名詞の活用のアクセント位置(←マイナーどころでマニアック)。ここも当日センセイの発音に合わせるべきでしょう。
バッハ:
・語尾の-erなどは「エr」と歌われること(←舞台ドイツ語)も多いですが、シュトラウベ先生自身は完全に現代ドイツ語の「アー(注:アメリカ英語のようにならない、素直なアーです)」でしゃべるし歌われるはずです。
aberは「アーベル」ではなく「アーバー」。でもderは「ダー」じゃなくって「デア」でしたね(汗)
#発音記号上区別はしておりません<(_ _)> 正しくはイタリックにするべきでしょうが。
・ここのテキスト、ロマ書はかなり説教臭い箇所(失礼)なので、もっと前後関係読み込まないと正しい訳ができなさそうなのですが…。代名詞「それ」が多すぎて、ドイツ語の中の係り結びが結構難解です。新共同訳(ギリシャ語原典が底本)と違うニュアンスになりましたが、「こう読んでも自然なニュアンスかもね」位のお気持ちで流していただけますと幸いです。
…翻訳って難しいよぉ…。
[PR]
by cantotanto | 2009-05-02 10:00 | 外国語曲のことばのこと