カテゴリ:独唱&重唱曲( 13 )
ドイツリートでコトバ遊び…シューマン:ミルテより「くるみの木」
来週日曜は地元合唱団のほうでの内輪音楽会。アンサンブルのお声をいっぱいかけていただいたのも嬉しいのですが(ちとオーバーワーク気味?(汗))、地味だけど一度ちゃんとやっておきたかったお気に入りリートを誠意暗譜中なのでお勉強がてらこちらにメモ。

「献呈 Widmung」漁りですっかり気に入ったシューマンのMyrtheの3曲目、「くるみの木 Nußbaum」を歌います。流れるような伴奏の上、ピアノと歌が掛けあいながら淡々と語るような曲なのですが、知らずに聴いててもおや、っと思う不思議な韻の使い方をしています。そして可愛い(少女趣味っぽい、とも言う)!
拙訳(ノリ優先の意訳ヴァージョン)と一緒にお送りします。
(歌詞はJulius Mosenによる)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

Es grünet ein Nußbaum vor dem Haus,
duftig,
luftig
breitet er blättrig die Äste aus.

 おうちの前にはくるみの木
 さわやかに、軽やかに
 葉の茂った枝を広げる

Viel liebliche Blüten stehen dran;
linde
Winde
kommen, sie herzlich zu umfahn.

 枝には可愛いお花がいっぱい
 やさしい風が吹いて来て
 お花を温かく包みこむ

Es flüstern je zwei zu zwei gepaart,
neigend,
beugend
zierlich zum Kusse die Häuptchen zart.

 お花は2つずつ対になって
 うつむいて、おじぎして
 頭を寄せ、キスするみたいにささやきあう

Sie flüstern von einem Mägdlein,
das dächte
die Nächte
und Tage lang, wußte ach! selber nicht was.

 お花はささやく、お嬢さんのこと
 夜ごと昼ごと想いにふけり 
 ああ、でも何を悩んでいるのかわかっていない娘のこと

Sie flüstern, wer mag verstehn so gar
leise
Weis(e)?
flüstern von Bräutgam und nächstem Jahr.

 お花はささやく -
 こんなかすかなおしゃべりを、誰が聴いてくれるのだろう?
 - やがて来る日々と、花婿さんのこと

Das Mägdlein horchet, es rauscht im Baum;
sehnend,
wähnend
sinkt es lächelnd in Schlaf und Traum.

 お嬢さんは木のざわめきに耳をすませ
 思いこがれて、想像をふくらませて
 微笑みつつ、眠りと夢へと落ちてゆく

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ん~、すごく可愛い!そして良くできた詩なのです(訳はまだまだ再考の余地あり…)。
赤と青とで書いたとおり、2(ないし3)音節の短い押韻がぱっと聴きにもわかる感じでしつこく書かれてます。この単語が第1連のように並列の形容詞や現在分詞で使われたり、時に第2連や第4連のように文法的に全然違う言葉できれいに韻を踏んでいたりと、なかなか面白く。

最初がのびのびとした木の描写で、同じメロディーを繰り返しながらだんだん繊細な、低音域の曲になって行くのでパーンと派手なところはないリートです。でも何とも愛らしい。Vivaミルテ!
#低声用を選んだのは失敗だったかなぁ、と思う低さ。でもこの音域を鳴らしたいのです…。

内輪の音楽会ではありますが、お客様歓迎ですので、冷やかしたい方どうぞお声かけください。
…北関東方面の辺鄙な立地のサロンですが。響きとピアノは良いですはい。


さて、くるみの木に花が咲く絵を観たことがなかったのですが、第2連の「可愛いお花がいっぱい」、第3連の「2つずつ対に」「うつむいて、おじぎして」という様子から、「さくらんぼの形に咲く桜のような花」を想像していたのですが…

…イメージを壊されたくない方は見ない方がいいかもw
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by cantotanto | 2011-02-21 00:42 | 独唱&重唱曲
やっぱり「カタイラさん」のモデル??
2週続けてのN響アワーへのツッコミで失礼。
#いや、毎週欠かさず観ているわけではないのですが…

今週も奈良に絡めて、万葉のうたからの連想で、当時もオリエンタリズム+漢詩への憧れ(曲は完全にドイツ語なんだけど)で作曲されたマーラー「大地の歌」から「美について」が紹介され。

小柄な感じの背中が、軽やかにぴょんぴょんと飛び跳ねて指揮してるなぁ…と思っていたら、

曲の途中で後出し表示された情報によると、2003年の広上センセイでした。
「のだめ」の指揮者コンクールとの前後関係が微妙ですが、ジャンプしながら指揮をする日本人指揮者片平(フランス語読みでカタイラ)さん、やっぱり彼がモデルになっていた部分もあるかもしれません。

水辺の女の子達の描写のやわらかく東洋っぽい音楽の中で、時にタテ跳ね、時に舞うように両手を広げて自由自在な指揮。カメラが正面に回ると幸せそうな表情もまたいいですなぁ。

そして、曲が馬に乗った若者達の描写に移ると…うわぁ、全身を使ってノリノリですよぉ(@>@;/
歌手の歌をちゃんと録りつつ(流石にあれだけ低いとアルトは飛ばないよー)、鼻息を拾っちゃわないN○Kの録音&ミキシング技術も素晴らしいと思いましたw
#マーラーのオケ伴歌曲は音域がダダっ広くて技術的にめちゃ大変、という師匠の忠告をしみじみと感じましたですorz

で、男の子たちを見送って水辺の女の子のテーマに戻ると、また優雅な舞いとともにゆっくりと(オケの)各パートにキューを出していく広上センセイ。満面の笑みで静かなフィナーレ…
実に素晴らしく曲の世界が創り上げられ、またセンセイの棒で歌いたいなぁ…(後期ロマン派希望)と垂涎の思いで観ておりました
…のですが、この音楽を作るためにリハーサル段階でどんな例え/ダジャレを使ったのかは気になってしまいました(苦笑)
#そこも含めてまたお世話になりたいっと切望w
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by cantotanto | 2009-08-16 23:03 | 独唱&重唱曲
カルミナ・ブラーナは向かないらしい…(追記あり)
何の気はなしに見ていたExcite エキサイト : コラムニュースで「牛さんに生オペラを聴かせて美味しいミルクを生産」というネタ。

牛の放牧地で盛装するバカバカしさはよく存じております。
そしてこういう野原で声が散っちゃうことも。

ヴェリズモ・オペラの恋に悩むテノールの曲で牛さんのホルモンバランスを刺激、というところでしょうか…と思ったらあくまでも「牛さんテンポ」でリラックス効果狙い(?)かな。

逆に牛に向かない曲のコメントとして「カルミナ・ブラーナやワーグナーあたりの激しい楽曲はあまり歌いません」ってことなんですけど…

・カルミナのテノールソリストの出番って…白鳥の丸焼きさんだけなんですけど…
・合唱のテノールのメロディを取って”O Fortuna!」とか演ってもサマにはなりそうだけど、そもそもこの企画って、アカペラなんですよねー。
・しかし、テノールひとりで歌うのを「生オペラ」と報じちゃうくらいの取材でも、カルミナってメジャーなんですねぇ(感心)

いや、動画の音出してみてない段階であれこれ言うのもなんですけど、彼の様子を引きでみたらかなり寂しそうですね(苦笑)

帰宅後、動画を観て噴いたw
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by cantotanto | 2009-05-26 12:58 | 独唱&重唱曲
ある意味本家が、パクリですか…Jupiter…
徐々に「部分的社会復帰」に慣れてきたと思ったら、
風邪引き→市販薬で誤魔化してるうちに喘息結構悪化→本日ようやっと受診で「風邪引いたら早く受診れ」と怒られてしまったcantotantoです。
#しかも今朝は頭痛がひどいと思ったら重度の寝違えでしたorz

マイミクさんにはお疲れから帯状疱疹の方もいらっしゃるので、まだましな方かとは思います。ブレスもちっとも持たないし喉の炎症もそれなりにあるので、とりあえず明日は自重デス。

閑話休題。

今練習している曲のためにはロイド=ウェッバーのミュージカル見返しも大事かと思って先日「オペラ座の怪人」を観、やはり曲の理解のためにはサラ・ブライトマン(言わずと知れた「元祖クリスティーヌ(英表記はクリスティン)役で作曲者の元奥さん」の存在は無視できんなぁと考察記事の構想を暖めていたところ、

サラ・ブライトマンの新作CDのCMが深夜の音楽番組で流れてきました。

CMのBGM&イチオシの曲が…平原綾香まんまの”Jupiter"!(もちろん、英語歌詞と思われ)

まぁね、イギリス現代をある意味代表してきたソプラノ歌手が、メロディーメーカーとしても一流のホルストの泣かせ節を歌うことには、ある意味違和感はありませんよ。
でも何だかまんま日本人狙いのアコギさが見えてしまうのがフクザツな心境です。

誰かJupiterの名を冠して、「惑星」の「木星」の冒頭の元気なメロディーを歌いこなしてくれませんかねぇ…(sigh)
もしくは金星…は存在感が薄い(私見)ので、「海王星」のしっとり5拍子で何か歌いこむ…とか。
#個人的には「天王星」の愉快な「たんたん狸モドキ」メロディーでコミックソングも可、ではありますが。

イギリス音楽には「泣かせメロディ」はいっぱい出てきますので、むしろ本場の方にはそれらをいろいろ主張していただきたいなぁ…と思うのは欲張りでしょうか…。
サラ・ブライトマンが歌うJohn Rutterのコテコテ節なんか、ちょっと聴いてみたいなぁ…実現は難しいかしらん。Magnificatのソロあたりから…

いただきコメントを受けて080316追記
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by cantotanto | 2008-03-04 02:25 | 独唱&重唱曲
ワイドレンジ有名曲♪ Rossini:Una voce poco fa
仕事帰りの小レッスンで、以前センセイに「この曲どう?」と言われていたこの曲を掛けてみました。

ロッシーニのオペラ「セヴィリアの理髪師」のロジーナのアリア、Una voce poco fa(今の歌声は)。もちろん原調のメゾソプラノ版で。

えっとね、E~FisGis~って始まる入りメロディや、速いパッセージで一気に下のGisまで降りてくるところなぞはすごく歌いやすいんですが、やっぱりこの曲、基本的に高い曲であることを再認識。

↑で出て来たのの2オクターブ上のGisをしっかり張れないと格好つきませんし、やっぱり最後の締めはロッシーニらしく、EFisGisAH,H,E~♪って決めないと面白くなさそう。

ってな訳で、「次の内輪音楽会までの半年間で曲中で安定して使えるHを用意しておく」か、「より今の声域と声質に合った曲にスイッチする」かを選択しなくちゃいけません。歌ってて気持ちがいい曲ではあるんだけどなぁ。明るいし、軽いし、元気だし。でもト音記号の五線をはるかに超えるGis→Hの2オクターブちょいは広すぎます。

以前齧った「アルジェのイタリア女」イザベッラのCruda sorte(むごい運命よ)といい、ロッシーニの「賢い女性のコケティッシュな決意表明」的な歌は面白いし、歌ってて楽しいのです。

もう一個あらためて勧められたのはモーツァルトの「皇帝ティトの慈悲」のズボン役セストのアリア。こちらも気になりますが…どうしようかなぁ。
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by cantotanto | 2006-03-14 02:42 | 独唱&重唱曲
即席アンサンブルの楽しみ~ Ecco mormorar l'onde
週末のグレゴリオの家でのシュトラウベ先生ワークショップは、それはそれは幸せなものでした。
付いて行くので一生懸命だった一年半前と違って、自分なりにあれこれ考えながら素直に先生の指示を聞くことができ、収穫は多かったと思います。
週明けの俗世間がちょっとばたばたしてるもんで、余計にうた三昧週末への憧れが募ります。

さて、編集作業が済んだものからレポートしますと、「短いファイルの切り出しは短時間で済む」ことから、最終日昼休みの「即席アンサンブルEcco」の最後の通しファイル切り出し→関係者への通知をさくっと済ませてしまいました。

合唱団その2がらみのアンサンブルメンバーから(以下、どこかでのハンドル)ONIさんとひるまんさん(S1) 、メガさん(S2) 、cantotanto(A) 、りゅさん(T)の5名。更にか~のさん(S2)、彼女と同じ合唱団のYさん(A)、そしてバスを探すスカウトに乗ってくださったAさん(B)の計8名。
女声2人ずつ、男声1人ずつなのでバランスはいいですね。
ちなみに元のアンサンブルメンバーは今回のお題は「楽譜配られただけで合わせたことない」状態、参入いただいたお3方は「Ecco知ってる~」という経験者でございます。

そしてお題はモンテヴェルディのマドリガーレ第2巻(1590)から、Ecco mormorar l'onde(波はささやき)。「ご覧、波がささやいて、」というささやき、「枝が震えてる」というトレモロっぽい速いパッセージで始まります。この後も、SとA、2種3羽の小鳥が鳴いたり、東の空が明るくなって来たり、そよ風が吹いてきたりする歌詞がそのまま音楽で表される、非常に叙情的な曲です。

…って、今だから書けるのであって、限られた時間で合わせるためにはとにかく必死でそこまでは味わえなかったんですけどね。

あまりに楽譜が低いので、半音だけ上げて歌いました。お陰で女声は結構輝かしい感じの響きになったかな。実は録音を何度も聴き返しながら、「おっ、ここ美しいじゃん」というところを楽しみ、「自分、ここ外してるよorz」というところをひっそりと反省しております。てっぺんと一番下がしっかり出来上がっているので(楽譜をリアルタイム半音変換しながらでも)かなり歌いやすかったのですが、お陰でcantotantoが好き放題やってしまっており、同パートのYさんにはご迷惑かけちゃったな、とこれまた反省でございます。
#はまったところは非常に気持ちよさそう、自信なさげなところはいかにも自信なさそうな感じが自分の声でよくわかりました。いずれにしてももうちょっとさりげなくおさめられないもんか。まぁ前者はアンサンブルの規模によってはあり、なのでしょうが。

うちに帰ってから、改めて(というか初めて)お手本演奏を聴いてみました。

Monteverdi: Madrigali
Alan Ewing Claudio Monteverdi Anthony Rooley The Consort of Musicke Tom Finucane Evelyn Tubb Andrew / Virgin

こちらはテンポ(我々3'10に対し、トラック長さ4'00)もしっとり、静かな夜明けでした。そう、曲の中盤で東の空が白むんだから、必ずしもテンポと勢いでパンパカパーンな演奏にする必要はなかったのですね。イギリス人の侘びさびを感じさせる名演奏だと、勝手に思っております。
この曲はDisk2(第2巻)の14トラック目、です。
派手なのも好きですけどね。

そうそう、久しぶりにモンテヴェルディのマドリガーレ集を流して聴いてみたら、ドイツ人のシャイン(そう、シャイン会で「イスラエルの泉」を歌ってる、その作曲者)がイタリアに留学してモンテヴェルディの影響をたっぷり受けた、というお話も改めて納得しました。
なぁるほど。
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by cantotanto | 2006-01-11 23:54 | 独唱&重唱曲
贅沢な来年の企画。
遂に本日が今年の「うたい納め」でした。
ちなみに「うたい初め」の予定は1月7日。ニューイヤーイベントの追い込みが掛かっていた昨年と違って、2週間も空いてしまいます。

で、今日は合唱団その2の団内音楽会向けのレッスンでした。
半年に1度、決まって独唱曲のイタリア語(たまにドイツ語)の歌詞覚えに苦戦している(そして最近はあきらめて譜面台を立てている…)恒例イベントですが、今回はちょっと「楽な」、そして贅沢な重唱オンリーのラインナップに確定しました(で、今日は二重唱レッスンをニ連荘。贅沢ですなぁ)。

・ ロッシーニの「小荘厳ミサ」のS-Msの二重唱、Qui tollis peccata mundi
 澄んだSop声が身上のメガ嬢のリクエストによる選曲。彼女としては(そして私としても)別メンツで演ったフォーレの二重唱と同じような響きを想定していた部分もあったのだけど先生にばっさりと否定される。こてこてのイタリアオペラっぽいメリハリを要求。果してどこまでできるか。
本番では譜面どおりピアノ+ハルモニウムパートのキーボードの伴奏で行けそう。あとは歌、ですね…。

・ ヴェルディの「レクイエム」(勿論、通称「ヴェルレク」)のS-Msの二重唱、Recordare 
 こちらは張りのある高音が身上で派手な曲ばっち来いのY美さんとのペアで。私のリクエストです。今日が初合わせ。
そもそも先生の趣味では絶対に出てこなさそうな選曲、だと思っていたのですが、Tenの高音が良くなってきたOさんがIngemisco(これもいいソロ曲。というか実音でよく歌ってた(をい))どう?という話がまとまりつつあることを聞き、是非前座(?)に1曲前のこの曲を!とコーディネートした次第です。実は学生の時に「急遽オケ合わせ練習ソリスト」でゲリラ的に歌って以来、「いつかはちゃんと歌いたい」と十ン年間狙っていた曲です。
#ちなみにこの後のConfutatisをバスの方が歌えば完璧。きっとピアニスト姐さんはその後の「ジャン・ジャン・ジャン・ジャン」に突っ込んでくれる……ってことを密かに狙い中なのですが…。
こちらも本気で合わせると難しいところがあちらこちらに。ノリの部分も多いですが、その代わりいかにもイタリアオペラっぽくノらないとダメ。「派手な低音押し」を要求されるところ随所なので、来年頭の課題はそれですね。最近ルネサンスだバロックだの曲をカウンターっぽく軽く軽く当てる癖が付いちゃってますから。

・ あともう1曲はもう1年前から練習してるカリッシミの「イェフテ」終曲のCoro@6人組。
 これもしばらくさらってませんが、年明け練習が楽しみですなぁ。(ってのんきに構えてていいのかっ)

ってな訳で、今回はソロなし。
しかし以前「次は大作宗教曲から二重唱なぞ」(リンクは後で貼ろう)なんて言ってたら、まさかこんなにハデな作曲家・曲のラインナップのダブルで決まるとは。そりゃソロ曲勉強する余裕ないですよ…。

ちなみに「楽」と書いたのは、歌詞のこと。オールラテン語、しかも二重唱はミサのGloriaとレクイエムのDies irae由来というのは久々の楽勝モードです。元からソラで言える歌詞だなんて…!
#といいつつ、音符の割付間違ったりはよくしますので、要注意。
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by cantotanto | 2005-12-26 02:39 | 独唱&重唱曲
合掌… 本田美奈子さんの訃報
yurikamomeさんの フォーレ作曲、ラシーヌの讃歌 本田美奈子に捧げたい 、quastさんの 本田美奈子さんの訃報 へのトラバです。

昨日、本田美奈子さんが急性白血病で亡くなられました。10ヶ月余りの闘病生活、享年38歳だそうです。

彼女が当時は衝撃的だった(私がコドモだっただけ?)ヘソ出し衣装で腰を振る「マリリン」だった頃をしっかり記憶している世代としては、アイドル路線を退いた後にミュージカルへ、そしてソプラノ歌手としてクラシック路線へも進出、と聞いたときにはかなり違和感を覚えておりました。

AVE MARIA
本田美奈子 / コロムビアミュージックエンタテインメント

クラシック路線進出、のデビューアルバム(のはず)、たまたま発売日に秋葉原で遭遇し、特典の直筆サイン色紙(ミニサイズですが)付きで購入しておりました。

ベルカントで歌うオペラ歌手のいかにもな録音とは違い、「ああ、ミュージカル歌手がアリアを歌っているのね」の印象は受けましたが、澄んだソプラノヴォイスでちゃんと曲を聴かせる、「耳当たりのよさ」と「中身の訴えかけ」のバランスがよく取れた1枚なのではないかと思っていました。
英語で歌っても、日本語で歌っても、歌詞がちゃんと聴き手に伝わってくるのは流石ミュージカル畑の方。単なる絶唱、じゃなくて、歌自体に言葉を伝える力があります。
自分が声楽の勉強をする上で直接リファレンスにはしないけれども、クラシックに縁がない、と思っている方々に、「へ~、あの本田美奈子が今こんなのを歌ってるんだ~」というきっかけからでも名曲に接してもらえるのならとても良い入口になるかな、と思っていたのです。


今年1月に白血病で入院、の話はどこかで知っていたのですが、先日の「仕入れ」の時には、本年10月発売の新作が「頑張って!美奈子さん」のPOPと共に店頭に並べられていたので、てっきり新作を出せる位に回復されてきたのだと思っておりました。

アメイジング・グレイス
本田美奈子. / コロムビアミュージックエンタテインメント

(未聴。店頭でDVD(2枚組のうちの1枚)のライヴ映像が流れているのはしばしたたずんで観ましたが。)

こちらにレビューされている方の情報の通り、新曲「ララバイ」は昨年収録、残りは既存盤の再録となるそうなので、白血病発覚後はついに歌の録音を残すことなく世を去られたこととなります。
レミゼをはじめ、ミュージカルの大役も降りての闘病生活、復帰ならずとても残念だったのではと思います…。


yurikamomeさんが追悼に寄せられたフォーレのラシーヌ賛歌、弦とハープの響きに低声からそっと重ねられる合唱が澄んだ響きのまま力強く盛り上がる美しいこの曲を、私も今晩かけてみようかなと思う次第です。
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↑発音記号のお話用に自作資料をキャプチャしてあった、ラシーヌ賛歌冒頭の歌詞です。

若くして世を去ったひとりのうたい手に、いと高き神と等しい「言葉」(=イエス・キリストのこと。ヨハネによる福音書1:1より)の護りがありますように。
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by cantotanto | 2005-11-07 12:47 | 独唱&重唱曲
幸せの青い鳥は自宅の庭にひっそりといるものらしい。
合唱団その2の内輪音楽会(千人本番の翌週)で歌うアリアが決まりました。

内緒にしておくネタでもないので晒しておくと、ロッシーニの「アルジェのイタリア女」からイザベラのアリア、"Cruda sorte!"(酷い運命よ)。

えっと、全然聴いたことなかった上に、楽譜上にどう解釈して良いやらの装飾音符がいっぱいで、最初のレッスンはたどたどしく音を確認するだけで終わってしまいました(指導者に失礼ですな、それじゃぁ。)

これは録音で確認せねば、と思い立ち、地元の石○に出向いて、まずは「輸入CDバーゲン」の棚をごそごそしていましたら…

Ewa Podles - Rossini: Arias for Mezzo-soprano / Morandi
Gioachino Rossini Pier Giorgio Morandi Hungarian State Opera Orchestra / Naxos

こんなNaxosのCDが通常780円→600円の特価販売になっていまして、その1曲目に入っていることに気付いてしまいました。


…このCD、持ってる………(大汗)


えっと、買ったまま未開封で、そのうち聴こうと目立つところに放置してあった、あのNaxosディスクじゃないですかっ。

という訳で石○では別のセール品+新譜を買い(おいおい)、今日のクルマ移動で早速聴いてみました。Cruda sorte。

いやぁ、どうしてこの時代のメゾのアリアって、あんなに能天気そうな譜面をこんなにシリアスに歌うことを要求しちゃってるんだろう(いや、軽いところ、コケティッシュなところもあるんですけどね)。
ドニゼッティのラ・ファヴォリータの記事で採り上げた"O mio Fernando"もそんな驚きに溢れてました。

いい曲です。確かに音域と声質も先生の指摘どおり割と合ってそう。

…なんですが、こんなに早口な曲、本当に対応できるのかしらん。かなり怖いです。
#えっと、内輪ネタとしては「女か○たさん」な感じの曲、と言えばよろしいでしょうか…。
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by cantotanto | 2005-08-01 01:05 | 独唱&重唱曲
フィッシャー=ディースカウが若い若いっ! マーラー&R.シュトラウス(+シューベルト)歌曲集
えっと、タイトルが散漫としているのですが…。
要は、シュヴァルツコフとジーフリートとフィッシャー=ディースカウが、リヒャルト・シュトラウスやマーラーの歌曲(ただし、シュヴァルツコフが歌っているのはオペラの1シーン)を歌っている(そして、ボーナストラックはシューベルト!)という、こてこてのドイツリートものDVDです。

そして、皆若い!
録音(もちろん録画も)が1959〜1965年で、この時の年齢が
シュヴァルツコフ(S)とジーフリート(S):45歳くらい
フィッシャー=ディースカウ(Br):35歳くらい
なんですが、もっと若く見える。当時の映像技術でアラが映らない(何とうらやましい!)だけかもしれませんが。
フィッシャー=ディースカウなんて、「お坊ちゃん」って感じの顔してます。ぷりぷりしたほっぺたの質感が生々しく、ハタチそこそこ、と言われたら、たぶん信じる人いますよ。

この若ぁいフィッシャー=ディースカウが、ドイツリートをまたリートらしく丁寧に歌うのですよ!
そして造りすぎないけど、表情豊か。
マーラーの「さすらう若人の歌(私のイメージは「フラれ男が情けなく落ち込む歌」)」が非常にリアルに迫るのですよ。
ボーナストラックのシューベルトの超メジャーどころも、折り目正しいドイツリートの歌い方、という感じで良いです。この方の歌うさまを観ていると、なれるもんならバリトンになりたい気持ちがふつふつと湧いて来ます。
#せんせ~、2曲目のGing heut morgen übers Feld(交響曲1番1楽章のあの明るいテーマ。でも最後に落ち込みオチ付き)歌わせて~~~~っ。
##前から言ってるのですが、「それは難しすぎっ」って却下曲なのです。

シュヴァルツコフが歌うのはリヒャルト・シュトラウスの歌劇「薔薇の騎士」1幕フィナーレ。アルト好きの私としましては、シュヴァルツコフもいいけど彼女と絡むズボン役オクタヴィアンのテッパーが気になります。凄ーくいいコロラトゥーラが入る曲ですが、私には音域高いかも(^>^;; まずは通しで観てみたいオペラリストに入りました。オクタヴィアン狙いで(おいおい)。

ジーフリートはリヒャルト・シュトラウスとマーラーの歌曲の美味しいどころを並べています。自分の趣味だとマーラーの「美しいトランペットの鳴り響く所」が好きなんだけど、テンポ速過ぎっ。この曲、息が続くのか〜〜〜〜っという人間離れしたロングトーンが魅力なんだけど、この速さなら私でも歌えそうな気が…。お師匠さん曰く、「それって反則じゃあ…」だそうです。それでもドイツリート歌いとしての技は十二分に発揮していますし、「ラインの伝説」のドラマティークぶりもなかなかよろしいですよ。

<DISK紹介(DVD)>
Schwarzkopf Seefried Fischer-Dieskau Sing / BBC DVB 4904429
スコア選択: ★★★★

往年の名歌手の、最も脂の乗った若い日の名演奏。古いけど、演奏の映像がフルに入っております。ボーナストラックのピアノ伴奏シューベルトも名演奏です。

(入っている曲)
R. シュトラウス(1864-1949) 歌劇「薔薇の騎士」Der Rosenkavalier, Op.59(1909) より
第1幕フィナーレ "Kann mich auch an ein Mädel erinnern"
(舞台ではなく、映画風のセット撮影)
Elisabeth Schwarzkopf (Soprano)
Hertha Töpper (Mezzo-soprano)
Philharmonia Orchestra 指揮:Charles Macherras
撮影:1961年10月24日、ロンドンにて

R. シュトラウス 歌曲集
Morgen!, Op.27 No.4
Wiegenlied, 子守歌  Op.41 No.1
Traum durch die Dämmerung, Op.29 No.1
Zueignung, Op.10 No.1
Ständchen, op.17 No.2
(オーケストラ伴奏、ライヴ)
Irmgard Seegried (Soprano)
Orchestre National de l'ORTF 指揮:Piero Bellugi
撮影:1965年1月20日、パリ Salle Pleyelにて

マーラー(1860-1911) 歌曲集
Wo die schönen Trompeten blasen トランペットが美しく鳴り響く所
Ich bin der Welt abhanden gekommen 私はこの世に見捨てられ
Rheinlegendchen ラインの伝説
(オーケストラ伴奏、ライヴ)
Irmgard Seegried (Soprano)
Orchestre National de l'ORTF 指揮:Manuel Rosenthal
撮影:1967年1月14日、パリ ORTFにて

マーラー Lieder eines fahrenden Gesellen 歌曲集「さすらう若人の歌」
No.1: Wenn mein Schatz Hochzeit macht 彼女の婚礼の日は
No.2: Ging heut morgen übers Feld 朝の野原を通ると
No.3: Ich hab ein glühend Messer in meiner Brust 私の胸の中には燃える剣が
No.4: Die zwei blauen Augen von meinem Schatz 彼女の青い目が
(オーケストラ伴奏、ライヴ)
Dietrich Fischer-Dieskau (Baritone)
NHK Symphony Orchestra 指揮:Paul Kletzki
撮影:1960年10月24日、パリ Salle Pleyelにて

ボーナストラック:シューベルト(1797-1828) 歌曲集
An die Musik, 楽に寄す D547
Der Lindenbaum 菩提樹 (Winterreise, 冬の旅 D911 より)
Im Frühling, 春に D882
Erlkönig, 魔王 D328
(ピアノ伴奏、室内演奏)
Dietrich Fischer-Dieskau (Baritone)
Gerald Moore (Piano)
撮影:1959年5月14日、ロンドンにて
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by cantotanto | 2004-10-14 23:32 | 独唱&重唱曲