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復興の「熱狂の日」レポート
震災の後のマーラー交響曲第2番「復活」訳の後、長らく潜伏しておりました、cantotantoです。

本当は聖週間の後にマーラー交響曲3番の「ペテロの罪は許された」のテーマでお送りしようと思っていたのですが、タイミング逸してしまったのでこれはそのうちに。
#今年の夏にマーラーの3番を歌って遂に彼の合唱曲をコンプリートのはずが、何と会場があのミューザだったために予定は白紙となってしまいました…ここにも震災の影響が。

さて、同じく一部会場への影響&アーティスト来日キャンセルのあおりを受けて仕切り直しとなった「熱狂の日」ことラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン(以下LFJ)。今年のテーマは「タイタンたち Les Titans」。
Titanといえば2010~2011年が記念イヤーなマーラーの交響曲第1番!なのですが、ここではドイツ後期ロマン派の作曲家をぐわっとごった煮にしたイベントとなっております。

実は震災前後は「なんとなく」落ち着かなくてLFJのチケットを取らないままだったのですが、仕切り直しの発売日の10時にパチッとWeb発注できてしまったために、今年は初めての小部屋鑑賞が叶いました。

[本日のその1]G-17a
 ハンス・イェルク・マンメル(テノール) 
三ッ石潤司(ピアノ)
 マーラー:さすらう若人の歌
 マーラー:リュッケルトの詩による歌曲集 他

G(ガラス棟、のGか)409という、行ってみたら本当に会議室にイスを並べただけ、の部屋、153席。
歌詞対訳をもらってびっくり。チケット販売時点で「他」と書かれていた作品は「シューマン:詩人の恋 Dichterliebe」の、もちろん全曲演奏でした。何という大盤振る舞い!(ちなみに45分間の予定がたっぷり1時間かかっていて、直後のプログラムのチケットを持っている方は大変そうでしたw)

テノールが歌う「さすらう若人」は高声用に移調かと思いきや、メゾ/バリトンが歌う時と同じ原調のまま。若く、軽い声のテノールの方なのですが、低い音も出せるのでそのまま行った、という感じです。(Gucci兄が投げてしまいそうな、Cより下の音がいっぱい出るのですがw)従ってマーラーの2歌曲集とも曲の大半は張った音を出さない音域なのですが、150人のサロンコンサート風ではこれもいい味が出て良かったと思います。むしろ淡々と地の文を歌いあげ、高音域のpが本当に「楽に」出ている演奏を聴くと、これがこの曲の本当の歌い方なんじゃないか(→自分の出番はますます、ない(苦笑))と、目からウロコでございました。
原調を選んだおかげで、さすらう若人2曲目の「交響曲1番1楽章マンマ」の快活なメロディーや、リュッケルトの「私はこの世に捨てられて」の「交響曲5番4楽章の有名なアダージェットに似てる…」という所もわかりやすかったんじゃないでしょうか。

実はマーラーは譜面台の楽譜をめくりながらの演奏だったのですが、その後のDichterliebeは当然のように(苦笑)暗譜で朗々と。時系列では逆なのですが、「Dichterliebeを持ち歌にしているドイツ人のテノールリート歌い」の方が、マーラーの歌曲を歌うとこうなる、という所を並べて聴けた訳で、そういう意味でもこのプログラムは美味しい組み合わせでして。こちらはよりドイツリートらしい、短い曲のたたみかけでメリハリのある曲集ですので、すっかり自分のものにされているいろんな表情をやはりサロン的な距離で楽しめたのは本当によかったです。

そして、特筆すべきは多弁なピアノ!Dichterliebeの終盤あたりでもそうですが、特にマーラーは敢えて歌手を黙らせて(曲に入り込んでると「あれっ、歌手出忘れた?」と思うくらい)ピアノに先行テーマや「空白」を歌わせることが多いのですが…今日の伴奏の方は本当によく歌っていて、マーラーの「ピアノでオーケストレーション」の上手さがとても気持ちよく伝わりました。

…結論。聴いてよかった!演奏家(のはしくれ)目線としても、ひとつの小さな演奏会としても、楽しめました。


[本日のその2]D-15f
ヴォーチェス8(声楽アンサンブル)
ブラームス:われらの父は汝に望む(「祭典と記念の格言」 op.109 より 第1番)
ブラームス:気高き神はいずこ(「祭典と記念の格言」 op.109 より 第3番)
ブラームス:なにゆえに、光が悩み苦しむ人に与えられたのか(「2つのモテット」op.74 より 第1番)
レーガー:アニュス・デイ(「8つの宗教的小品」 op.138 より 第6番)
レーガー:われらみな唯一なる神を信ず(「8つの宗教的小品」 op.138 より 第8番)
ブルックナー:モテット「この場所は神が作り給う」WAB23
ブルックナー:モテット「正しい者の口は知恵を語り」WAB30
ブラームス:強き盾にて武装する人、その城を守らば(「祭典と記念の格言」op.109 より 第2番)

こちらは「横長の小ホール」221席。席数の割に、広く感じました。
Voces8は、LFJ主催者のルネ・マルタン氏がイギリスで発掘してきたという、若い8人組。
ソプラノ2人は女声(おみ足美しく登場!)ですが、ATB×各2は全て男声という、いかにもイギリスらしい構成と響き。音と歌い方の雰囲気も、King's Singersあたりを彷彿とさせます。
女声Sと男声Aを何とか混ぜるために配置にも工夫しているようでした。

最初と最後のブラームスのドッペルの曲はASTBBTSAの配置。そうでない曲はASASTTBBとか、レーガーの5声の曲はSASTBとか、とにかく
・声質に違いがあるSとAをできるだけ「混ざる」ように配置
・Sが分離しないように男声で囲むべく、できるだけステージ表近くにAを配置(指揮振る都合もアリ)
という努力がそこかしこに。Sの中、Aの中でも出てくる場面によって音色を使い分けていた模様です。

ハーモニーのち密さは、イギリス伝統の折り紙つき。ヒトの声で三和音やオクターブを決めるとこんな音がするんだって、LFJの楽器巡りの方にも聞かせたいんですけどねぇ。
ゾクゾクする決まりどころがいっぱいあり、うれしい限りです。

歌ったことのないブラームスのWarum"連呼のモテット(BachっぽいけどBachよりずっと難しいフーガ、魅力です。最後のルター作コラールはBachのカンタータで歌ったことある歌詞でした)やレーガーの曲は、シャイン会あたりでいつか合わせてみたい曲でした。
あと、歌ったことある曲ですが、ブルックナーのLocus isteのバスパートは「バス協奏曲」ばりの大活躍だなぁと、楽しく再認識しましたですw

そうそう、バリトン氏が(おそらくローマ字書きで用意してきた)日本語のご挨拶&曲紹介をいっぱいしゃべって下さいましたが、
「ツギノBrahmsノキョクハ、ユメイナ作曲家、ばっくノアイキョウヲ受ケタモノデス」
ってな感じのご愛敬で、なかなかほほえましかったです。
注:Bachの英語読みは「バック」、ドイツ語曲を歌っていることもあり、影響→eikyou→アイキョウと発音、かと思われます。

拍手がいっぱいあれば、「Sing along=一緒に歌おう」企画も出てくるかと。
ボイパ多用のいわゆる「アカペラ」っぽい曲造りも、実はできる所を見せてもらって、面白かったです。
こんな彼らのコンサートが、明日明後日の1100人ホール分はまだ売り切れていません。
お時間と興味がある方は、是非Webまたはコンビニでポチってお越しください。1つにまとまった素晴らしいアンサンブルが聴けるはずです!
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by cantotanto | 2011-05-04 03:36 | 聴きに行くこと
【長文御免】ブルックナーの最期の大作に感動した!日曜日
…ってタイトルからもう次の週末やん。…実は長文(これ↓よりもっと長かったような…)を書きあげ直前にIEのエラーでイチから書きなおしだったのでした。仕切り直し、参ります。


交響曲と宗教曲を器用に書き続けなかったブルックナー。ミサ曲1番~3番(この1年に2回歌ったあのミサ3番!)は40代前半に集中して書かれ、ここから交響曲2~7番が一気に書かれ、大曲Te Deumの初稿(1881年)まで、宗教曲の大曲の作曲は十数年のブランクがあります。その10年後、健康状態が悪くなる中「交響曲第9番(そう、この方も9番で亡くなった方)」を書き始め(1891年)、第3楽章を仕上げていた頃の大学での講義(1894年)で「9番が未完で終わった場合は終楽章の代わりにTe Deumを演奏して欲しい」という「遺言」ともとれる発言があったとのこと。もっとも、ブルックナー自身は1896年亡くなる直前までTe Deumではない「第4楽章」の作曲作業を行っていたので、この世を去る時にはどちらを演奏して欲しいと思っていたのかは永遠の謎、です。

…と、このような前段があって、このような演奏会。

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東京交響楽団第580回定期演奏会@サントリーホール
2010年7月11日 18時開演(休憩なし)

ブルックナー:交響曲第9番
ブルックナー:テ・デウム(Te Deum) 第4楽章として演奏

指揮:ユベール・スダーン

ソプラノ:澤畑恵美
アルト:小川明子
テノール:高橋 淳
バス:久保和範

合唱:東響コーラス
オーケストラ:東京交響楽団
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じゅんじゅん先生を追いかけたく4列目のチケットを入手し、かつP席で共演する権利を無事に得られたYさん(仮名)に「オンステ決まったら是非っ」とお願いして譲っていただいたチケット。この曲のテノールソロが美味しいことはよ~~~~く存じております。
#そういやジュ○スでこの曲やった時に、人気絶頂期の○織健さんをキャスティングした○HKは凄いと思った記憶が…
##ちなみにその演奏会、運営陣OGとして受付か何かの手伝いしてて観てはいないのです(惜)

カ○レの初回練習(17時終了@西新宿)から急いで移動して、無事に開演時刻前にホールに到着。
考えてみればサントリーに来るのは久しぶりだったのですが、
・せっかく近くの地下鉄駅も増えたのに、駅を出たとことホール正面でどうしても傘が必要なこと
・奥の客席に入るのに座っている人をかき分けるのが大変なこと(列間、狭い?)
あたりに、ああ、このホールも微妙に古い部類に入って来たのかなぁと微妙な気持ちに。

席は自分じゃ普段選ばない舞台激近の、上手側。サントリー特有の舞台上の反射板たちを見上げる感じ(たぶんこれがまた良かった!)。

ホール入口の手書き掲示に加えて、場内アナウンスでも「本日はTe Deumを第4楽章として演奏するため、ソリスト入場時の拍手はご遠慮ください」の念押し。こう言われたら9番の「終わり」であるところの第3楽章終了時にも拍手は出せません。1粒で2度効果的なお願いです。

開演までふと周りを見渡すと、そこはかとなくクラヲタ、というかブルヲタっぽい雰囲気の男性が結構多い感じ。前列にやや大柄な方がいらして、指揮台があまり見えないのと、指揮者周りにソリスト席っぽい椅子がなかったのは気になっていたのですが…

演奏が始まると…ええーっ、指揮者のスダーンさんが、前列の大柄の君に重なって手しか見えません。まぁ観客も不動ではありませんから、彼が背もたれに寄り掛かったり、ちょっと下向いたときだけ、スダーンさんの表情がうかがえます。前を見ると、かぶりつきでヴィオラ、その奥にコントラバス。指揮者側に顔を向けた時にコンマス&1stVn…弦しか見えません。一面の弦の海。海の向こうから、管の音が飛んで来ます。ステージ上の反射板のおかげか、ナマ過ぎず溶け込み過ぎずの程良いライブ感の音。見えないけど、いい音です。

…と先に「見えない」話ばかり書いちゃいましたが、弦かぶりつきの絵に慣れてくると、これはこれで普段の「普通の位置」で聴こえない弦の音のタッチがよくわかって心地よく。特に第2楽章で繰り返される冒頭のテーマ、ヴァイオリンとヴィオラで受け渡されるちょっとコケティッシュなピチカートも面白く、その直後の暴力的なff(文字通り寝た子を起こす!)で弓を叩きつける弾き方から普通のarcoに切り替える様子とその音の違いがつぶさにわかる!いやぁ、いいものを間近で聴きました。

そして第3楽章のアダージョ、譜面上だと「ただの音階を畳み掛けているだけ」なはずの弦Tuttiのスケール、特にコントラバスの響きが間近に迫って来て泣けます…。ただの音階なのに…これぞブルックナー。最期までブルックナーだったんだなぁと再認識。いやぁ、いい席で聴きました。

第3楽章が終わっても、それまでの楽章間と同じように緊張感と静寂がふっと解けるだけで、「この演奏がまだ続いている」という雰囲気が客席全体にちゃんと残っています。ここでそっとチューニング(オルガンが入るのでここでチューニングはやはり必要)と、ソリストが入って来たらしい雰囲気…雰囲気!?
はい、ソリスト様方はオケの後ろ、合唱団(P席)の前、でした。見えない…

が、歌った方にはお馴染の「ドソソドドソソド」が始まると…いやぁ、見える見えないはどうでもよくなりました。
プロのオケが「合唱入りのf」を「オケだけのf」の音量とは変えてくるのは当然としても…。舞台かぶりつき席にして合唱のユニゾンに圧倒されます。ここで思い出しました。

…私この曲暗譜してましたわ。

Te Deumの訳資料も去年作りなおして歌った(モーツァルトでしたが)ところなので訳語も同時通訳のように全部フラッシュバックします。

テキストを伝えようという意気が伝わるきれいなユニゾンの渦に圧倒されながら、ブルックナーらしい転調の嵐(マーラーよりもずっと幾何学的なそれ。ちゃんとC-Durに戻るし)に身を任せておりました。スダーンさんは硬い音階で出来ている譜面を自在に扱い、きっちりキープすべきところは手綱を握りつつ、はっとする変化をあちこちに見せてしなやかな音楽を作られていました。視線も9番の時とは違い、積極的に合唱団に送っています(大柄の君が疲れてきたのか指揮者が見えるタイミングが増えてきまして…)。P席の合唱団はよく見渡せて、座ってる時にはお2人位しか確認できなかったマイミクさん(合唱に5人いらした!)のお顔も皆確認いたしました。
#じゅんじゅん先生だけ、全く見えないという罠…。

web上での感想sでも、プログラム内のスダーンさんの対談でも「宗教曲の中にして非常に官能的で意外」と語られていたテノールソロとヴァイオリンのソロとの絡み…実は十何年も前に書いたはずのミサ3番のEt incarnatus estとそっくりな構成、そっくりな雰囲気(2回目に女声合唱のユニゾンがテノールの後追いをするところまで!)。流石自らの作品を新旧問わず繰り返し繰り返し推敲・改訂していたブルックナーさんです。一貫した世界が後期の作品までどっしり継承されています。
じゅんじゅん先生のテノールソロ、1人美味しい所では本当にドイツオペラのように、わざとらしい位までにはっきりとした子音を立てて飛ばして、はっきりとテキストを伝えられてました。これは(直接にしても舞台上の反響板経由にしても)かなり近い位置で聴いているからそう聴こえたのかもしれません。なるほど、大ホールでの歌い方はこうあればよいのかと納得した次第です(…マネする機会はそうないでしょうが…(大汗))。テノールソロ→4人アンサンブルになる時の声の「引き」度合いも勉強になります。

曲の世界にぐんぐん引きこまれていると、気がつけば最後の歌詞の曲、In te, Domine, speraviの冒頭の四重唱(昔から「ドラクエ風味」だと勝手に思っておりました)に。嫌だ、終わって欲しくないと思いながらソリストの、そしてそこから受け渡される合唱の圧倒的な響きを大事に味わっておりました。
1パートずつが短いnon confundarを受け渡してゆく所まで来ると、ほとんど子供の運動会で応援する親のような気持ちで各パートパートをついつい目で追ってしまいました(周りの迷惑にならないように、極力目だけで…)。うたったことがある曲はこういう時に客観的に聴けなくて困ります(…が贅沢な聴き方でもあるとは思う)。

当然のこと(?)ながら揺るぎないSop1のHigh-Cから収束してゆく(ae-)ternumのドソミドのC-Durのハーモニーもきっちりと締まり、合唱の方が歌っていた時と変わらぬ良い表情で後奏を迎え、スダーンさんの手が、止まる。

余韻ののち、長い静寂。
固唾を飲んで、皆が見守る、緊張感。

指揮者の指先がふっとゆるんで降ろされた瞬間に、初めて拍手とBravoがあふれ出しました。
…うわぁぁぁぁ、なんて素晴らしい聴衆が2000席分も揃ったのでしょう!(前日のN潟遠征ではここでアクシデントありだったと伺って後から余計に噛みしめました)
フラインフブラボーどころか、フライングパチも咳払いすらもありませんでしたよ(TへT)

昨年末と今年3月の2回、同じブルックナーのミサ3番を歌った時にも、曲が終わった後、聴衆を含めた全員によって作り出された静寂に感動したのですが、「いかにも終わりだいかにも終わりだジャンっ」の強奏で終わる曲でこれですよ!(方や、「え、ここで終わりなの?」的あっさり感で終わる曲なので…)
東京でブルックナーの演奏会、といって集まる方々は、本当に彼の音楽が好きな人たちなのだなぁ、と思うと同時に、これはやはり作曲者の力の賜物でもあるのだろうと感じ入りました。もちろん指揮者が作らないと出来ない「間」でもあります。

何度も出入りを繰り返してのごあいさつで、初めてソリスト陣のお姿を拝見し(正面ではないですが近かったですよ~>Yさん)、そして指揮者の紹介で初めて…管楽器の姿を見ました。これは自分でも驚きました。見えてないの忘れてたもん…。へ、ホルンの半分がワグネルホルン持ち替えありだったの、とか、ここで初めて視認(苦笑)。合唱団はお行儀がよいのだろうな、と想像していたら、合唱団を含まない人たちへの拍手はごく自然に出し、合唱団を含む時はすっと胸を張って拍手を受ける側へと、全体が間違えることなく動きます。いい意味で本当にお行儀が良いです。これは見習いたいところ。

TSCさんはいつもこんなに「凄い」演奏会に立ち会われているのか、と驚いていたら、どうやら団員さん方の間でもこの日の演奏会は聴衆の作る静寂も含めて特別なものだった模様。初めて生で聴きに行った東響&TSCの演奏会で、本当にいい演奏を聴かせていただきました(感涙)。昔から「いつか(当たって砕けろで)参加してみたい合唱虎の穴」と思っているのですが、実力以前に今の場所で仕事しているうちはムリ…平日夜早い時間に県境3本越えてコンスタントに通う自信はないです…(白旗)。

とにもかくにも、関係者の皆様、(先週末は)本当にお疲れ様でした~&ありがとうございました!
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by cantotanto | 2010-07-17 02:09 | 聴きに行くこと
「ネ申」のフォーレク、いただきました。
(あまりに衝撃を受けたので、手前味噌シリーズより先にこちらをレポート)

自分の本番も終わった週末、今日はシャイン会でご一緒しているはっぱさんご夫妻のご主人のほう(ややこしい)とマイミク成さんがいらっしゃり(2人ともテナー)、カ○レでもとってもお馴染なOS田先生が指導されている団体、AGORAさんの演奏会を聴きにお出かけして来ました。

まだ今日が第2回演奏会という若い団体で、第1回のドイツレクイエムの時も聴かせていただきました。カ○レと同じくオケと合唱団が共存する団体、結成から日が浅く、かつ編成が小さめ(と言いつつ「中ホール」には収まらない大きさになって来ましたね)なためカ○レ以上に両者の関係は密そうなところがプログラムノートからもうかがえます。

プログラムは

ブラームス:「運命の歌」Schicksalslied(オケ+合唱)
ブラームス:交響曲第4番(もちろんオケのみ)
~ここで休憩~
フォーレ:ジャン・ラシーヌの雅歌(オルガン+合唱)
フォーレ:レクイエム(オケ+合唱+ソリスト2人)

うわぁぁ、OS田センセイ、上手いこと(美味いこと)組まれましたなぁ!

そして演奏。1回目の時以上に、合唱のアンサンブルがよくこなれていて心地よい響きを聴かせていただきました。なんかねぇ、こういう小規模な中できっちり決めようとするのを聴いてしまうとOS田センセイがもうカ○レを振って下さらないんじゃないかと本気で心配しましたよ。

特筆すべきは6人のテノール(いや、あちこちで歌われる精鋭が揃ってるんですわ)の声が美しくて揃っていて正確で(いい意味で)若い!なんかねぇ、フォーレクの"O Domine Jesu Christe"冒頭のアルトとの絡み(これ、一緒に歌ってみたいー(羨望))とか、"Agnus Dei"の最初と最後のパートソロとか、涙が出るほど美しい(OS田先生も流されていたそうですが…)。「ネ申降臨」級の出来でございます。
終演後、そのスジのよく判っている方々と「あのテノールはすごい」「貸して欲しい」とあちこちで盛り上がりました。6人組レンタル移籍、各方面でお待ちしております♪

OS田先生曰く「何も準備していなかったのですが」で行われたアンコール(最後がレクイエムなら無理にやらなくてもよいのですが…)はフォーレクのAgnus Dei!アンコールピースとしては本来長いのですが、「このテノールを聴け!」と言わんばかりの選曲、しかと堪能させていただきました。
#オケにドッキリを仕掛けて、後奏部分を納めずに前奏にすげ替え、もう1回歌ってもらってもいいと思いました(爆) Agnus Deiエンドレス仕様…

いろいろ触発されて、この記事書きながら自団(実は全曲Web公開)の6年前の演奏を聴き返しております。そうそう、O Domine Jesu Christeはどうしても2パートを溶け込ませたくって、(姑息な手段ではあるのですが)アルトとテノールのメンバーを半分ずつ入れ替えてたんでした。道理で本番でアルトの節を歌った記憶がない(苦笑) 今聴くと、2パートの等質具合(ちゃんとアルトとテノールに聞こえることも含め)は結構狙い通りに行けてるんだけど…男女混ぜてることはよく聴くとバレてますねぇ。この演奏を今日のホール(三鷹の風のホール)の大きさと響きでできたら楽しかっただろうなぁ…

若い団体、の弊害がちと残念だったのは、聴衆の経験値があまり高くなかったこと(微笑ましくもあるのですが)。

冒頭のSchicksalsliedではschicksallosな感じの無垢な幼子のおしゃべりが曲のそこかしこに挿入され(未就学児お断りにする演奏会の意図が判った気がする。ある年齢以下のお子様には「そこに静寂が欲しい」場所があることは察せられないわねぇ…)。いや、突発的に入るのは仕方ないとしても曲のほぼ最後までそのまま会場で聴き続ける保護者の方はちょっと…という残念なムードに。
ブラ4の第1楽章(確かに長めで、ハデだ)が終わると拍手が沸き起こり…

でもそこで空気を察して下さったのか、その後およびフォーレクの曲間では見事にフライングなしでいい客席の空気が出来上がっていました。素晴らしい。

休憩時間に近くの席のカップル(このコトバ、古い?)がプログラム対訳を見ながら「これはドイツ語ってわかるけど、これは…フランス語?」等々の会話で盛り上がっていて、「次のページはラテン語ですよ~」とおせっかいしたい気持ちをぐっとこらえて微笑ましく見守っておりました。

いやぁ、今日はいいものを聴かせていただきました。
関係者の皆様、美味しいお酒を飲んで下さいませ。
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by cantotanto | 2010-06-12 22:35 | 聴きに行くこと
聴く→買う→買う→聴く→買う【やっと追記。】
連休初日はセンセイ方のうた聴き2連チャン♪

お昼はカ〇レのVTでお世話になってる山田先生のCD発売記念ミニライブ@黄色い塔。
…って時点で絶対に他のCDも買い漁りすぎる予感はしてたのですが。

a0036057_1252611.jpgまずはせっかくの「発売記念ライブ」ならCDお買い上げで「サイン会」参加でしょう、というのが正しいサクラ道(?)。
すんません、ここのところ「盤面にサイン」をお願いすることが多いので書きにくそうなところお願いしちゃいました。
そうそう、ライブにセンセイと一緒に登場されたピアニストが…Y田さんではないですか!ピアノ曲のレコーディングは彼女が担当されたそうで…でもサインはねだりきれませんでしたw 今年は本番がぶつかっちゃってお世話になれず残念です~、とご挨拶しておきましたです。

で、表面&内容についてはこちらのチラシを参照ください。
普段から可愛らしい(失礼)英津子センセイが選曲からジャケットから構成からかなりこだわられたそうで、いやぁ、可愛いのですよ。ジャケットも中も。

録音はメタメタ凝られたそうで、みなとみらい大ホールを2日間借り切って録音スタジオ化したという贅沢なもの。しかも約半数の曲はホールのパイプオルガンとの競演です。こういうトークが聞けるのも発売かこつけライブのいいところですねぇ。
ナマ演奏でも、買ってきたCDでも、英津子センセイのクセなくふわっと伸びる高音が美しくてよろしゅうございましたよ。
ライブでは本当にメジャーな曲から攻めましたが、CDの1曲目が「サリーガーデン」(←僕は若くておろかだったから、のあのサビの曲@やすおんではメジャー)というのがニクいですはい。


その後の移動までに微妙に時間があるなー、と思っている間に同じフロアで出会ってしまったモノたちの概要はこんな感じ。
・Naxosで出てるから安くていいや、と思った「ダフニスとクロエ」全曲版×2演奏分(ちなみに塔にあるのを買い占めた状態)
・同じくNaxosからこんなの出てたんだ!って感じのブクステフーデ声楽曲集1・2と宗教的カンタータ集(曲ダブリあり)
・これもNaxosコーナーで、「丸くなってからの作品です」とPop付きだったペンデレツキのテ・デウム(他合唱作品集)
・更にたぶんまだ買ってなかったNaxosの、クレアカレッジ演奏のラター「子供達のミサ曲他」
・Glossaレーベルワゴン売りから、ラ・ヴェネクシアーナのモンテヴェルディ「音楽の戯れ(1632)」(←こないだ謎の団体名で歌った曲入り、今年の新作)と1992年のカヴィーナ(と仲間達)が歌う「ドイツ・バロックのラメント、カンタータ、アリア集」
・BISのワゴンから、BCJのCDはぐっとこらえたのに、つい買ってしまった「マーラーの「大地の歌」(←本来は漢詩を独訳したものに曲を付けた東洋風の歌曲で成り立つ)の歌詞を元詞とされている李白あたりの本当の漢詩に置き換えて、中国人が歌っている」というちょっとイロモノのCD。これは楽しそうです。

…はい、イベントCDに加えて10枚お買い上げ。やられました。


夜はアパッチあははさんにご紹介いただいた辻先生のディープな「英国歌曲展」@豪華な王子ホール。
この企画、1996年からご夫婦で続けられているライフワーク、ということで作品と作曲家sへの愛が溢れておりました。20世紀イギリスの作曲家たちの歌ごごろは本当に大好きなのですが、現代英国だけに絞ったナマの歌曲演奏を聴きに行くのは初めて。いやぁ、過去の記録を読むに、もっと早く出会いたかった(苦笑)。

今回は、第1次大戦で早世した作曲家・詩人を日本でほとんど知られていないヒトも含め採り上げていく前半とブリテンの「冬の旅」ならぬ「冬の言葉 Winter Words」を全曲演奏する後半、そして「冬の言葉」収録のCDのセンデンも兼ねて(?)同CD収録の「ブリテン編曲のイギリス民謡集」から数曲のアンコール。

いやぁ、美しかったです。ブリテンといい、ホルスト(今回は出てきていないけど)といい、テノールを愛してテノールのために曲を書いた人達の歌曲はなんでこんなに美しいのでしょうか。ピアノでいろんな擬音や難しめの音が鳴る、テノールマンのためのブリテン曲はさておき(本当は置きたくないのよ)、本来はバリトン向けで出版され(ごく最近に高声版が出たらしい)たという優しさにあふれたフィンジの歌曲集(今回のコンサートのタイトルにもなっていた)は是非譜面を見てみたいと思っております。
プログラム掲載の訳詞も歌い手本人訳、通常プログラムではピアニストな奥様が、アンコールではご本人がマイクを手にみっちり曲解説付きでしたので、「ここが聴きどころ」も面白いようにわかります。「冬の言葉」でセキレイ Wagtail が慌てて飛び立つところ、アンコールのヘンクツな粉引きさんが「世間のことなんか構ってやるもんかっ。へんっ」って言い放って終わるところの表情が何とも楽しかったです!(←これじゃ「見どころ」じゃん)

a0036057_332943.jpgマイナスイオン(開演前に奥様が仕込んだ、という)たっぷりの歌声に癒された後は…買っちゃいましたです。当然のようにサインもお願いして。盤面に自分が映り込まない様にやたら苦労して撮影しましたので、見にくいのはご愛嬌で。

実際に入手した3枚はこちらです↓

ベンジャミン・ブリテン歌曲集

なかにしあかね 辻裕久 / ファウエムミュージックコーポレーション

ベンジャミン・ブリテン歌曲集II

辻裕久 / インディペンデントレーベル

ヴォーン・ウィリアムズ歌曲集 〜牧場にそって〜

辻裕久 / ALM RECORDS




あ”あ”、もうしばらくリアル店舗には近づかないぞ~。聴くのが追いつかん(←これはいつものこと)
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by cantotanto | 2009-09-19 20:36 | 聴きに行くこと
贅沢な市民オペラ(!…またの名をない物ねだり)
いやぁ、贅沢でしたわ。本日のO田区民オペラ。

これまで2年に1度オペラ、間の年はコンサート形式という活動だったそうなのですが、今年は「シモン・ボッカネグラ」、来年は「マクベス」と、ヴェルディの重いところ2年連続が確定だそうです!

企業からの賞金とか、根強い後援会があったりという事情があるようですが、とにかく区民オペラとは思えないキャストと内容で贅沢贅沢。大御所&有能な若手をふんだんに起用しての土日ダブルキャスト!そして1300席(この席数だと本当はおカネ集めには厳しいのよ、贅沢公演なのよっ)ほぼ満席!
#明日はカ○レの練習だから今日客席でお会いした組は明日のメンバーを観られない訳だが。

で、本日の「シモン・ボッカネグラ」。ナマで、というか、通してちゃんと観るの初めての作品です。
3幕のオペラで「25年前」のプロローグ付きなのですが、これが長くて1幕分きっちり。実質4幕のオペラですね。
主役の「父ちゃん」と「爺ちゃん」はちゃんと25年経ったら老けたというこしらえをしなきゃいけないから大変です。

本日の白眉は最終幕、もう死にそうな「父ちゃん・シモン=バリトン:大島センセイ」と「爺ちゃん=バス:佐藤泰弘(今回の中では若手です)」の二重唱。曲も声も場面も滅茶苦茶重いのですが、豊かな倍音+正確なアンサンブルにより、舞台上は2人なのに四重唱くらいをやっているかのような音が鳴りわたり。で、幻の歌手が歌っているかのような美味しい倍音(第3音渡り歩きとか)のメロディーをさりげなく管が補っているという。ヴェルディのセンスと本日のキャスティングの勝利!という感じの響きでございました。「婿ドノ=テノール:太朗センセイ」も流石の響きで出てくる度に大拍手でしたねぇ。
#実年齢関係なく声の高低で役柄の老け度が決まっていくのが流石オペラですけど…違和感ないですよ、ええ。

あと、最初はシモンの出世の立役者だったのに、自分の縁談&策略を潰されて逆恨み悪役キャラに凋落していくパオロ役の甲斐さんのお声も素晴らしかったと、客席からも特に出演者陣(ケイコでいっぱい聴いてる)からもベタ褒めでした!響きのよいバリトンで確かに凄い!のですが、作品にどっぷり入っていくとモノスタトスやベックメッサーを上回る(下回る??)勢いでキャラが凋落していくので、何か後味が微妙なんですけど…(苦笑)

で、明日のキャスティングも相当豪華で出演者オススメコメントもいろいろありました。


合唱を含めて衣装も演出も本格的、アマチュア団体演目でここまでの贅沢はなかなかできないなぁと垂涎の思いで観ていたのですが…出演者ビューだと「あのソリスト陣の場面場面を客席から観られること」が羨ましいのだそうで(H夫妻談)。
指揮者ビュー好きとしては舞台上のほうがむしろ贅沢ではないか、とは思ったのですが、合唱の出番が決して多くはないこの作品、袖(=戦場)では邪魔だから楽屋で待機、の時間帯が大分多かったそうです。なるほど、それは美味しく頂きましたですわ。
#そういやカ○レのマイスタージンガーの時も、村祭り開催まで1時間以上楽屋のモニター観ながら雑談してましたねぇ…(回顧)

でもやっぱり出演者が羨ましいっ、と思いながら帰途についたのでした。
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by cantotanto | 2009-08-30 01:53 | 聴きに行くこと
「熱狂の日」のブクステフーデに熱狂した!
って、聴いた24時間以上後に書いてるんですけどね。

東久留米での濃くて勉強になるワークショップの2.5日(バリバリの飲み会2晩付←これはかなり私が悪い)を過ごした後、有楽町での「熱狂の日」のうたモノ公演3本聴いて参りました。

と言うわけで書くべきネタはいっぱいあるのですが、周りのマイミクさんs&うた仲間の「熱狂」ぶりから、コレをまずは採り上げねば、というのが、La Venexianaのブクステフーデ「われらがイエスの御体 BuxWV75」。3日と4日に1公演ずつあって、両方ともスタンディングオベーション、拍手鳴り止まずだった、という素晴らしいプログラムでした。
#そもそも、痛々しいモチーフ満載の宗教曲で、しかもイベントメインのバッハではないマイナー作曲者の曲で、ですからびっくり。

一番最初のWeb先行予約で取ったら、ヒトケタ列の下手側。右斜めに舞台をほんの少し見上げる位置。
この位置が鑑賞に効いて来ます。
#そして振り返ったらすぐ後ろの列にか~のさんご夫妻発見でびっくり!

1コマ前のペルゴよりも小さな編成の古楽器軍団が入場し、やや下手側に陣取り。アンサンブルメンバーが10人入場。
SSATBの曲に対して、各パートソリスト+リピエーノ1の編成、並び順はSSBTAで、アルトは女性が1人、一番上手に男性が入ったので、カウンターテノールの彼がこの位置から振り歌い?

…と思ったら彼(クラウディオ・カヴィーナ)、本当にその位置で振り歌い続けました。頭も激しく振りながら(マジ)。
古楽のアンサンブルで、ここまできっちり四拍子(の形が左右揃ってて独特。アゴは反対方向へ振れる)や三拍子を全部振らなきゃなの?と思いきや、古楽らしい雰囲気を最大限に演出するタメやテンポの揺らしを、全部彼がドライブしてるんですね。
えっと、先述の位置関係から、「普通に舞台を見るとカヴァーナの振り歌いが目の前」という状況でして、とにかく観てびっくりな動きの連続。「123123ヘーミーオーラ(←って書いてわかるのか?)」を「121212」ではなくそのまんま「ヘーミーオー」って伸びやかに振る姿が(歌う人目線でも)気持ち良さそうでした。
不協和音→解決をじっと溜めてとことん味わわせたり、おー、ここまでやるか、と思っていたらもともとのオハコはモンテヴェルディなのだそうです。なるほどなるほど。

ホールとして美味しい上のほうやもう少し後ろの方で聴かれた方にはハーモニーが気持ちよく届いていたようなのですが(そういう意味ではCホールの音響、侮れません)、位置的にはアンサンブル1人1人のナマの声の感じが所々伝わってくる場所だったので、ここは好みが分かれたかもしれません。
いや、生アンサンブル好きとしては、ものすごい臨場感と曲の細部までが伝わりましたので、とても良かったんですけどね。

ソプラノのソリストも素晴らしかったのですが、自分の興味の上でも、視覚的にも(苦笑)どうしてもアルト方面にも意識が行ってしまいます。カヴィーナの声は湿っぽさのない、軽い軽いカウンター、そこにリピエーノ(ナ?)で付くパオラ・レッジャーニ(もちろん女性)の声がごく自然に同パートを歌っていて感激!単なるカウンターテノールのモノマネではなく、カウンターと違和感無く溶け込めるアルト、アンサンブルをやる上では本当に欲しい技術のひとつなのですが、ついぞ彼女の声を単独で聴くことはできませんでした(そりゃそうだ)。でも、カヴィーナのソロとTuttiのアルトは明確に違う音(そして線はもちろん1本で)で両方とも良く鳴っていましたので、やはりあの2人の組み合わせは絶妙だったのでしょう。

ブクステフーデ:「我等がイエスの…」 [Import] (MEMBRA JESU NOSTRI)

Harmonia Mundi


ブクステフーデの「イエスの御体」は縁あってCantus CölnのCD↑を持っていました(そして帰宅後の捜索でガワは出てきたが中身が行方不明(嘆))が、ナマで聴くのは初めて。そして、テキスト丸暗記をしていない曲で、ラテン語がこんなに自然にわかりやすく聴こえる演奏もなかなか経験がありません。流石イタリア人。
#多分本人達は「自国語流」に歌っているだけなんですけど。説得力が違います。
テキストは十字架上でイエスに付けられた手の傷や脇の傷についてなのに、Tuttiのアンサンブルで各パーツ曲の冒頭と最後に歌う部分の出典が雅歌あたりの甘い歌詞だったり、それでいて音楽はちゃんと痛々しさと甘さをその時々で表し分けたり、色が非常に多彩です。特に「痛い」音の表現はバッハを彷彿とさせる複雑さで、流石バッハが尊敬したセンパイ、と唸らされる感じです。

そのくせ、非番な歌手や楽器奏者の舞台上でのくつろぎ方がハンパなかったり、ステージ入場はともかく退場のタイミングはバラバラだったりと、ああ、イタリア人っていいなぁとヘンなところで感心してしまいました。
そうそう、4日の演奏はスタンディングオベーションに応えて歌手から楽器奏者から前列に並んでのカーテンコールでしたよ。カーテンは降りてないけど。

帰宅後、か~のさんとのmixi上でのやり取りでつい盛り上がって、彼らのCDの大人買いを敢行してしまいました。この団体、普段はモンテヴェルディを中心に活動していて、昨年出した「第1巻&第9巻」でマドリガーレをコンプリート、更に「宗教的・倫理的な森」全曲集も出しちゃったところ、とのこと
…ええ、買ってしまいましたよorz(まだマドリガーレ集は揃えたことなかったし。)

検索したときに出た画像でびっくりしたのが、「アリアンナの嘆き」探しで買っていたCDが、彼らのものだったこと。

La Venexiana Live!

Glossa Platinum


外側の半透明な紙を外すと、こんな感じのヴィジュアルでした。

La Venexiana Live!: Madrigals by Claudio Monteverdi

Glossa Platinum


ジャケット覚えてて良かった。
2002年、コルシカ島でのモンテヴェルディのマドリガーレ限定のライヴの録音だそうです。さりげなくCavina以外のうたメンバーは全員今回の来日メンバーとかぶっていなかったりするのですが、のびやかなイタリア節の、でもぴったりハマったアンサンブルは流石です。

ちなみに彼ら、モンテヴェルディ以外のCDはあまり枚数が出ておらず、もちろん今回大絶賛のブクステフーデも未販売。
今回のCホールの録音から「Live in Tokyo」とでも題してブクステフーデの「イエスの御体」録音を世に出してくれたら、絶対買うんだけどなぁ。
#この道が好きなヒトには大ウケなはず、ですが、一般にウケる約束はできない。
レコード会社さん、いかがでしょうか?
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by cantotanto | 2009-05-06 03:05 | 聴きに行くこと
「幸運」な出会い
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カ〇レ練習後、乗換駅前で油を売ってしまったcantotantoです。

デパ地下から2階コンコースに出たところでクリスマス野外コンサートステージに遭遇。

女声4人のアカペラグループ、PA入り。
何の気無しに立ち止まって聴いてみると…ゴスペル調ノリノリなのにハモり所を全く外さないで非常に美しい演奏なのですよ。

グループ名を「4tune」というそうです。
♯「4人の音」と「fortune=幸運」をかけているそうで。

結局1時間近く食いついて最後まで聴いてしまいました。
…サイン入りCDを買うためにw

Treasure

4tune / Three D System =music=


帰宅後追記:出演者さんから定価で買ったらamazonの方が安かった…(爆)
まぁ、「場の勢い」が大事なシチュエイションですし、サイン代上乗せと思えば安いもの、です。
#ちなみに「宛名は『cantotantoさんへ』(←ママ)で」と頼むのが恥ずかしくて、宛名なしにしてもらいました。

終演後、関係者と思われる応援の方に「先生」と呼ばれていたので、ちゃんとうたをやられている方々なのではないでしょうか。

会場ではちとPA音量がきつかったので、うちとクルマでCDをしっかり楽しみたいところです。

帰宅後追記:クルマで数分掛けたところ、ライブとはまた雰囲気がちがう(特に低声)みたい。後ほどこっそりインプレ追記します。
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by cantotanto | 2008-12-23 19:16 | 聴きに行くこと
バッハの型番発注。
週末はおとなしくしている予定が、土曜日はカ○レUさんの出演されるソロの発表会に、日曜日はバッハ講習会の終了演奏会にと、ふらふらとお出かけしてしまいました。
#手元の土日休日回数券の枚数調整もできたので、心配事もひとつ減らせましたし。

どちらもいろいろ勉強させていただきました。特にバッハの方で凄い刺激を受けて来ました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

バッハセミナー in 明日館 終了演奏会

日時 2008年8月3日(日)14:00開演
場所 自由学園明日館 講堂 (東京都豊島区西池袋)
   http://www.jiyu.jp/

指揮    佐々木正利
オルガン 能登伊津子
トラヴェルソ 稲葉由紀 国枝俊太郎
リコーダー  国枝俊太郎
チェロ    西沢央子
合唱 バッハセミナー受講者
独唱 バッハセミナー受講者

曲目
カンタータ第7番 私たちの主キリストはヨルダン川へやってきました。
カンタータ第17番 感謝の供物を捧げる者が、私を称える
カンタータ第23番 真の神でありダビデの子よ
カンタータ第36番 喜びながら舞い上がれ

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主に東北方面でご活躍、このスジでは有名人の佐々木先生が東京で4日間にわたってバッハのカンタータを指導されるワークショップ、という毎年恒例の行事なのだそうです。

A=415Hzに慣れてる方もそうでない方もいらして、年齢構成も普段の活動場所もバラバラ、という状況で、決して「4日間みっちり」ではない練習時間でここまで仕上げられたのは、練習内容濃かったんだろうなぁ…というところまで想像させてくれる演奏会でした。

この企画で凄いのは、独唱の多いカンタータsを最初に皆で全曲歌って、セミナー参加者内のオーディションで本番の独唱者を決めてGo!という所。バッハの声楽曲は合唱だけに非ず、の実践ですね。
#見て来たように書いてますが、マイミクか~のさんのレポート情報を大いに参考にさせていただいてます。すんません。

初参加で女声二重唱をきれいに決められたか~のさん、バス不足ゆえ途中参加したらテノールなのにバスアリア話をいきなり振られたという(いや、でもバリトン音域も凄く良かったですよ)成さん、そしてこの方はプログラム見た時点で安心して聴いておりましたのI葉さん、とリアルお知り合いのソリスト姿を応援しつつ楽しませていただきました。
これは鍛えられますわ~。

セミナー2日目午後にオーディションを行い、3日目朝に決まったソリストの名前が当日配布の演奏会パンフに全部印刷されているあたりに、主催者の方々がこのスタイルを大事にされている意気を感じます。

ソリストの中にはとても若い人達がたくさんいて、特に人材的に充実していた女声は、こんなに若いのに凄く上手い!という方が何人もいらしたのですが、後から伺った情報だと佐々木先生が指導されている音楽専攻の学生さんだそうです。なるほど。
あんなに若くて身体も細いのに(←両方とももはや自分にはない(大汗))、どこから出てるんだ、という感じの深いアルト声&それでも音程が下がって聴こえないコントロール(ここ重要)。やっぱり素人とは違いますです。
時代が時代なので「アルトですよ~」声とは別の音色もアリだとは思うのですが、やっぱりアルトアリアはこちらの方向が望まれるのかなぁ…。

選曲は順に 聖ヨハネ祭用、(通常の日曜)、レント前の時期、待降節第1日曜用 と時期はバラバラ。それだけに、いろんな題材のいろんな曲を聴けた印象があります。
対訳J.S.バッハ声楽全集の著者の方は佐々木先生の団で活動されていますから、こちらからの許可転載の対訳もバッチリ配られてありがたかったです。
聖ヨハネ祭のBWV7は川の流れのイメージの前奏に始まって、最初の合唱はテキストこそ違え「マイスタージンガー」第1幕冒頭で歌った聖ヨハネ祭のコラールの雰囲気をかなり思い出させる内容と雰囲気。アドヴェント最初のBWV36は題材と雰囲気が今練習してるクリスマスオラトリオの第1部あたりとかなりかぶる感じ、といろいろ考えながら味わうことができました。

練習会場でもあった講堂で発見したモノが、「次回取り上げて欲しい曲を書いてください」という、(まず間違えなく)受講者向けのホワイトボード。
BWV○○○という数字の羅列が軽く20~30は連ねられていました。
誰も冒頭歌詞とか○○カンタータとか「マタイ」(爆)とか書いていない。
商品名を書かずに型番だけで発注を出すような、そこはかとない「玄人感」を感じました。

来年は是非受講者側に回りたい、素晴らしい演奏会でした。
できればまだ歌ったことのない曲にここで触れてみたい!です。
#大丈夫、まだ歌ったことあるカンタータは片手に納まります…
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by cantotanto | 2008-08-04 02:03 | 聴きに行くこと
ハンス・ザックス先生のマーラー、贅沢なかぶりつき。
意味不明なタイトルになってしまいましたが…

地元の師匠から、同じ大学院博士課程の先輩、青戸知先生(バリトン)が学位論文&演奏で取り上げたマーラー歌曲のリサイタルをされる、という情報をゲットし、平日19時開演のコンサートにも関わらず、気合入れて行って参りました♪
#場所が日暮里だったから何とかなったものの、定時ダッシュでギリギリ間に合う感じでした。遠い…。

青戸先生は、カ○レの面子ならまだ記憶に新しい、昨年のイイモリ先生のマイスタージンガーの時に主役ハンス・ザックスで大変お世話になった甘いバリトンのあのセンセイです。

師匠から「十八番のマーラーで、しかも100人位の小さいハコで聴けるから行く価値あり」とのプッシュでしたが、いやぁそれ以上の凄い状況で観させていただきました。

定時ダッシュ状況で開演3分前に何とか着いたら…うわぁ、満席だぁ。通路に立ち尽くす私。
そこにすかさず会場スタッフが「最前列に空きがございます」
…本当だ、最前列上手側中央(歌手の立ち位置目の前ですね)だけが空いている!

と言うわけで、かぶりつきで観て&聴いて来てしまいました。滅茶苦茶贅沢。
#地元合唱団流に言うと、は○工房の最前列イスの距離感デス。一応一段高くはなっていますが。

プログラムは、マーラーの「亡き子をしのぶ歌」と「さすらう若人の歌」、ということは「子供に死なれた嘆き曲」と「振られまくったなさけない兄ちゃんの曲」。
さらに1曲だけ、マーラー歌曲と似た雰囲気を持つ(とセンセイが分析されていた)フィリップ・グラス(1937-)のオペラ「流刑地より」から、"Please listen to me"という、タイトルに反してこれもまたけったいな状況のアリア。

えっと、優しい知恵者主人公のハンス・ザックスさんの時とはまた違った、情けな~い風情をかもし出しながらも、あの甘いバリトンでいい感じのマーラーだったのですよ。
最初はあまりの近さに照れくさくて足腰ばかり見ていたのですが、歌える限り歌い続けたいとおっしゃっていた「さすらう若人」の頃にはもうそんなこと気にしないで引き込まれる引き込まれる!

特に、密かに(?)「いつかは歌ってみたい」とたくらみ続けている「さすらう若人」の第2曲、「朝の野を歩けば」は本日のプログラム中唯一明るい雰囲気満載の曲なのですが、まぁ何と幸せそうなこと!そして終盤の「自分の世界も明るいのか」→「いいや、決してそうではない」という展開に合わせてお顔の表情から声の表情から立ち姿から何からどんどん変わる!これはナマで聴けてめちゃめちゃ感激しました。
そして4曲目の最後、"Lieb und Leid und Welt und Traum...”(直訳すれば「愛と嘆きとこの世と夢と…」)でびっくり。CD等ではそれこそ夢のように消え入るように終わる演奏ばかり印象に残っていたのですが、ppながらもこの世の全てを呪うような、憎らしげな声の表情で”Traum"を言い切り。うわあああ、考えてみりゃそういう世界ですよ。振られ男が最後まで立ち直れないこの曲は!!

前後半の冒頭にはそれぞれ「プレトーク」と題して先生のわかりやすい&お茶目な所満載の解説が10分以上も付いていて、こちらもとても楽しませていただきました。

博士論文の中身までご披露で…
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by cantotanto | 2008-04-23 00:53 | 聴きに行くこと
めぐり合わせいろいろ。
今週末はうたう予定がなくって、もてあまし気味のcantotantoです。
まぁ、そういうオフ日がないとなかなかブログもいじれない消耗度合いだったのでちゃんと休めと自分に言いたいところですが。

昨日はしばし関東を離れるMちゃんと、シャイン会でご一緒しているAさんの応援で、スコラ・カントールムの演奏会を聴きに参りました。

今回のテーマは「第一旋法」とのことでしたが(流石マニアックな貫き度合い)、難しいこと考えなくてもとても楽しめました。
テーマ(入り)の提示を各パートがしっかり見せること、どこを切っても和音をきっちり決めて来るチカラは、流石この団体、勉強になります。

丁度いい位置に丁度3人分空いていた席に近づいてみたら地元団の団長のお隣で聴くことになり(いやぁ、私本当に目が悪いんだなぁ)、違う視点からの感想がリアルタイムで耳に入り、それもまた勉強になりました。

今回、オルガンの今井奈緒子さん(大御所)も素晴らしく。合唱の伴奏は舞台上のポジティフオルガンだったのですが、中で1ステージ、会場舞台2Fのパイプオルガンを用いたバッハのペダル付きソロ曲が3曲設けられていました。
大オルガンのソロ曲を生で聴くのは久しぶり(しかも、脚の動きがよく見える会場は初めてかも)でしたが、ストップを駆使したコラール旋律の提示に、「ああ、コラールってやっぱりこうやって聴こえて欲しいんだなぁ」としみじみ聞き入りました。

最後のシュッツもよく練られていました。ああいうの、歌いたいよぉ…
と、某Mアンサンブルのオーディションを断念したことを今更ながら悔やむのでした。ううう。


そして演奏会以外にも、めぐりあいがあと2つ。

会場で久しぶりにお目にかかったまりぴーさんに、ギリギリ残っていたぱらいぞさんのティータイムコンサートの予約をお願いすることが出来ました。これはラッキー。
「入場無料」はチェックしていたけど「要予約」に気付かず。カ○レでご一緒しているOさんにもうっかり声掛けそこねてたり、で危うく「行ってみたけど入れず」をくらうところでした。
まぁ、入り口で名前チェックする方がどなたか知ってしまったので、「立ち見でもいいから~~~~~っ」とゴネられたかも(をいをいをいをい)とも思いますが。

そして、地元団でご一緒のYさんとYさん(!?)と、夕飯食べにとあるお店に入ったら…
さっきまでコンサートやってたスコラさんの、打ち上げ会場のお店でした。
元々、「面白い名前のお好み焼き屋がある→行ってみたら高そうなお店に変わっていた→じゃあその隣のカジュアルなお店で」という選択で入ってみただけ、しかもお店側も「貸切なので入れません」とか「団体さんが入っています」とか何も言わずに団体さんの間近の席へご案内…!!
Mちゃんに声掛けられて、まじびっくりしました。
皆さんおとなしく食べてるな~と思ったら後から乾杯が起きたりしてちょっとびっくり(#遅かったですもんね)。呼ばれてもいないのに今聴いた演奏会の打ち上げを垣間見る、という稀有な体験をさせていただきました。
大人の雰囲気の、節度ある打ち上げだったなぁ…(前半しか見てませんが。)
Mちゃん、コメント求められる前にこっそり帰っちゃってゴメンナサイでした(微笑)
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by cantotanto | 2008-03-16 13:30 | 聴きに行くこと