カテゴリ:合唱曲( 75 )
バッハセミナーの予習で今年のLFJを思ひ出す。
ヴェルレク歌いに行きますと書いたきり、かなり燃えつきが長かったcantotantoです。
もっとも、燃え尽きていたのは最初の数日だけで、mixiに加えてfacebookでいろいろ書いていたら、あんまりブログに書き込まなくてもいいや~な生活が定着しちゃったからでした。すみません。

こちらでご紹介したいネタが出てきたときには、ふらっと現れるスタイルで参るかと思います。

…さて、明日から休みを2日分確保して、8/4(木)~8/7(日)の「バッハセミナー in 明日館」に参加して参ります。昨年に続き2回目です。昨年ご一緒した方、久しぶりにここで一緒に歌える方に会えるのが楽しみで楽しみでございます。

今年は何と器楽大盤振る舞いでヨハネ受難曲を全曲演奏!第1部は昨年やったのですが、第2部のユダヤ人集団のセリフ回し(=合唱曲)の激しさに、明日乗っかれるのか若干不安でございます(^-^;;
最終日午後には無料で終了演奏会を公開しておりますので、「参加したかった~」な方はご検討くださいませ。

で、今日のお題は、塔レコード店にてふと出会ったこちらのCD。(Amazonにはmp3ダウンロードだけあり。時代ですなぁ…)

a0036057_37237.jpgBach: Passio secundum Johannem (St. John Passion)
Ricercar Consort, Philippe Pierlot, Maria Keohane, Carlos Mena, Hans Jorg Mammel
形式: MP3 ダウンロード
価格: ¥ 2,400

で、何がびっくりって、この演奏(2010年録音)のエヴァンゲリストが、今年のLFJ(熱狂の日、のアレ)でマーラーとシューマンのリートを聴いたイェルグ・マンメルさんだったので。
なるほど、こっちの方面の方でしたら、あの軽い歌い方やプロフィール記載の共演者も納得でございます。

各パート2名ずつの、いかにも古楽らしい演奏。ユダヤ人のテンポ、本気で早口です。


そうそう、これを見つけた日のお気に入りをもう一つ。

はたらけ、ケンタウロス! (ゼロコミックス)

えすとえむ / リブレ出版


某店で「テルマエ・ロマエの隣あたりに置いていただけるといいと思います」というPOPと共に、指定通りの場所に平積みされていたのでつい購入。日高出身のケンタウロスの健太郎が新人サラリーマンとしてふつーに(?)シゴトしています。まぁその不条理さを楽しむマンガですが、取引先のベテランケンタウロスのシャンティさんなぞ、あまりのぶっ飛んだ設定に爆笑しつつちょっと感動。じわじわ来ますです。

さぁて、明日は午後からとはいえ、ちゃんと寝なくては。
明日からご一緒する皆さま、どうぞよろしくお願いします~。
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by cantotanto | 2011-08-04 03:07 | 合唱曲
復活するのだ…!
このたびの東北関東大震災(追記:東日本大震災の呼称になりました)では、多くの被災者の方々(亡くなられた方々も、生きて助かった方も)に心よりお見舞い申し上げます。
とても広い範囲に大きな爪痕を残した今回の地震、決して「遠くの出来事」ではなく、私の生活圏にも電気が復旧しなかったり水が出なかったり家に大きな損傷を受けたりと、さまざまな被害を受けた方がすぐ近くに沢山いらっしゃることも感じております。

昨年ほぼ20年ぶりにマーラーの「復活」を歌った際にエバロッティ~さんがおっしゃっていた、「阪神淡路大震災の焼け野原で復興を誓った時を思い出す曲」という話が、あらためてこの歌詞を噛みしめて強く実感されます。

最初は鳥の鳴き声も止んだ「無」の中からかすかに聞こえる声、時に強く、時に対立する2つの旋律として語られ、最後にはfffで生への復活を叫ぶマーラーの交響曲第2番「復活」の合唱+女声ソリの歌詞を、できるだけクロップシュトックが踏ませようとした韻を生かす配置でお送りします。拙訳(飛躍しすぎないつもりの意訳で)での対訳を徐々に付けてゆきます(→2011.3.19 完成 / 3.20一部修正しました)。

Aufersteh'n, ja aufersteh'n, wirst du,
mein Staub, nach kurzer Ruh!
Unsterblich Leben
wird der dich rief dir geben!

 復活する、そう、復活するのだ。
 塵となった我が肉体よ、あと少しだけ休んだ後には!
 お前に呼びかけた、不死の生命が
 お前に与えられるだろう!

Wieder aufzublüh'n wirst du gesät!
Der Herr der Ernte geht
und sammelt Garben
uns ein, die starben!

 再び花開くために、お前は種蒔かれるのだ!
 大鎌を携えた死神がやって来て、
 我ら死んだ者たちを刈り取り、
 束と集めて収穫するのだ!

O glaube, mein Herz, o glaube:
Es geht dir nichts verloren!
Dein ist was du gesehnt,
was du geliebt, was du gestritten!

 おお、信ぜよ、我が心よ、信じるのだ。
 お前は何も失ってはいないと!
 お前が見たもの、お前が愛したもの、
 お前が戦い守ろうとしたものは、お前のものなのだと!

O glaube:
Du wardst nicht umsonst geboren!
Hast nicht umsonst gelebt, gelitten!

 おお、信じるのだ。
 お前が生まれてきたこと、お前が生きてきたこと、
 お前が苦しんできたことは、無駄ではないのだと!

Was entstanden ist, das muß vergehen!
Was vergangen, auferstehen!
Hör' auf zu beben!
Bereite dich zu leben!

 生まれ出たものは、死なねばならぬ!
 死んだものは、復活するのだ!
 恐れおののくのは止めよ!
 生きてゆくために、準備をせよ!

O Schmerz! Du Alldurchdringer!
Dir bin ich entrungen!
O Tod! Du Allbezwinger!
Nun bist du bezwungen!

 おお、すべてを貫き穿つ「苦痛」よ!
 私はお前から救い出されたのだ!
 おお、すべてを征服する「死」よ!
 今やお前が征服されたのだ!

Mit Flügeln, die ich mir errungen,
in heißem Liebesstreben
werd' ich entschweben
zum Licht, zu dem kein Aug' gedrungen.

 自ら勝ち取った翼をひろげ、
 愛を求める激しい想いのうちに
 私はふわりと飛び立つだろう。
 まだ誰も見たことのない光に向けて。

Mit Flügeln, die ich mir errungen,
werd' ich entschweben!
Sterben werd' ich, um zu leben!

 自ら勝ち取った翼をひろげ、
 私はふわりと飛び立つだろう。
 私は生きてゆくために、死ぬのだ!

Aufersteh'n, ja aufersteh'n, wirst du,
mein Herz, in einem Nu!
Was du geschlagen,
zu Gott wird es dich tragen!

 復活する、そう、復活するのだ。
 我が心よ、ほんの一瞬のうちに!
 お前が打ち負かしたものが
 神の御許(みもと)へとお前を運ぶだろう!


「死」に打ち勝った後に「復活」して得られる「生」とは…キリスト教的な本来の歌詞は「現世での個人の死→神の御許での永遠の生の獲得」というストーリーなのですが、マーラーの意図はそれだけじゃないんじゃないかな、とこういう時にふと思うのです。生きた人たちが声をひそめて一つにこの詩を歌いだすのは、これは個人の死ではなく、死んでしまったかのような社会を「私」として語らせた「復興」の歌なんじゃないかと、思えてなりません。そこに立たれる一人ひとりが「我が心よ」と語りかけられています。

地震で、津波で、火災で、いろんなものが失われてしまった今の状況が"mein Staub"、ここから「失ってはいない」「無駄ではなかった」と信じ、身の回りの「死」に打ち勝って、新たに生きていく力を少しでも多くの方が得られますように、心よりお祈りいたします。


*2011.3.20追記
何と、この歌詞、クロップシュトックの詩は第2連までで、それ以降はマーラーの改作とのこと!確かに定型にはまらないのでまたマーラーさんがカットしたのだとばっかり思っていたのですが、そもそもマーラーが新たに書いた非定型詩、ということのようです。最後の最後に第1連を踏襲して感動的なラストを結んでいるのも、マーラーによる創作だったとは、驚きです。
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by cantotanto | 2011-03-15 01:41 | 合唱曲
【レコメンド】年越しの過ごし方【駄追記あり】
例年、クラ好きだけどインドア派の皆さまのブログ記事に上がるテレ東(TX)系列の東急ジルベスターコンサート、今年の年越しはマーラー交響曲第2番「復活」の最終部分(合唱が入るところから?その前のフルートさんも欲しいけどなぁ…)byコバケン&武蔵野合唱団さん、だそうです。
マーラー生誕150周年の2010年からマーラー没後100年の2011年への橋渡しとして、この上ない(…いや、千人じゃ無理でしょ、この尺で…)プログラムだと個人的には思っています。

実は高校生の頃にマーラーに転びまして、「マーラーイヤーなるものが2010~2011年まで来ない!51歳で没するとは何と不器用な!」と思い続けて待っていた(反例:ヘンデルやモーツァルトは商売っ気があっていい亡くなり時でした)のですが、そんな年に「復活」をうたう機会もいただき、これ聴いて年を越せるのは本当に嬉しいもんです…まぁ自分が歌えるのが一番でしたがw 

オフィシャルサイトを見ると演奏と同時にサンドアートとか、凝った演出が入るようですが、粛々と聴かせていただきます。



…で、大事な告知はこの後。

2011年年明け、おめでとーの後の1発目は我らがじゅんじゅんセンセイによるヴェルディ「椿姫」の「乾杯の歌」で始まりますので、カ○レ方面をはじめ関係者の皆さんはしっかりご覧くださいませ!
幸先よい1年の始まりになりますように。

ダンナレコメンドは年明けのMX(駄)
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by cantotanto | 2010-12-31 14:39 | 合唱曲
画竜点睛を欠きました…ので先に補足@デュリュフレのキリエ
いや、タイトルの通りです。

いよいよ明日12/4のカペレの本番、例によって自作の対訳を挟ませていただいております。
#もちろんレクイエムのみ。ダフクロはa~のヴォカリースですからね。

スペースに余裕があったので、デュリュフレさんの宗教曲では押しておきたい「グレゴリオ聖歌(当然Requiemこと「死者のためのミサ」)旋律の引用箇所」についての情報を書き足しております。

作曲活動以前に教会のオルガニストとして大活躍のデュリュフレさんは、教会音楽の根本であるところのグレゴリオ聖歌が大好きで、その旋律を活かした…というよりはほとんど「編曲しただけ」みたいな宗教曲がごろごろしています。

今回のレクイエムの中でも、例えば終曲In Paradisum(天国へ)は前半をソプラノがグレゴリオ聖歌の旋律をそのまんま歌い、後半は合唱のハーモニーの上でオルガン(+版によってはフルート)が聖歌の旋律を引き継いで最後の最後の"requiem"の音まで全部弾いている、と言った具合。本当にこんなのがあちこちに。
↑こういう「ここでグレゴリオ聖歌が聞こえますよー」情報を書き足した、の次第です。

で、原稿を送り、配布分刷り上がった後に気づいた美味し~い箇所の記述漏れ。悔しいのでここで解説しておきます。

曲はこちら。1曲目からつなげて静かに始まるKyrie。
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今回のABセンセイの指摘書き込みの通り、パレストリーナあたりが書きそうなルネサンス風の様式です。
Bass→Ten→Alto→Sopと、グレゴリオ聖歌の(Requiemの)Kyrieの旋律を元にしたモチーフが重ねられていきます(これは資料に書いた)。

元ネタはこちら(Liber Usualisから)
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これだと「お好きなヒト」しか読む気が起きないので、オケ&合唱メンバーのために5線譜に起こしなおしました。
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で、このデュリュフレさんのオーケストレーションの凄いところは、4パートが出揃ったところでおもむろに
金管(Tp.&Tb.)のユニゾンでCantus firmus(定旋律)を演奏させる
ことに尽きます。↑の音符を1音1小節かけて引き伸ばし、ご丁寧にKyrieとeleisonの間に1小節の休みを挟み、しかも休み明けのeleisonのアタマに合唱の盛り上がりの山場を持ってくるというニクい演出!合唱はきっちり4声使いつつ、大オーケストラでも主張できる楽器に定旋律を演らせる采配が絶妙です。
ああ、確かにパレストリーナあたりの時代にありそうな構造です。どんだけ懐古主義なんだ!

このKyrie、↑のCantus firmusが1フレーズ終わったところで一旦収束し、より自由な旋律でのChriste eleisonを挟んで最後のKyrieの旋律(注:本来のKyrieは↑の旋律でKyrie3回、Christe3回、Kyrie2回歌った後、最後の1回だけ別の旋律↓を使うのです)のモチーフを使ったフーガに入ります。
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これ、fのTuttiで始まり、段々前半と同じ雰囲気に持って行って静かに終わるんですが、実はTuttiの中で金管によるこの旋律のCantus firmusが始まり、旋律の最後まで吹ききっているってことに印刷後のゲネで初めて気づきました…!(遅いわっ)

ってなわけで、かように感動的な金管楽器ユニゾンによる長い長いCantus firmusが入ったKyrie、歌詞対訳資料ではちっとも触れられてませんが(ごめんなさいごめんなさい<(_ _)>)、そんなところも気づいて味わっていただけましたら幸いですはい。

#この曲に限らず「レクイエム(死者のためのミサ)のグレオリオ聖歌は(聴いて / うたって)知ってる」という方には「普通の現代曲」よりも何粒も美味しく心地よい作品となっております。
見返してみたい方はどうぞGradualeと長い長いSequentia(Dies irae)は外してどうぞ(フォーレのレクイエムと同じ曲構成になっております)

チケット手元にございませんが、当日何とかすることも可能ですので、聴いてやってもいいかなな方は本日中にお声掛け下さいませ。
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by cantotanto | 2010-12-03 12:56 | 合唱曲
「ヨハネ」の中の「マタイ」?
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ふと気になっていたこと。

ヨハネ受難曲第1部前半で「ナザレのイエスを!」ってユダヤ人が叫ぶ2回目最後、アルトに書いてある細かい動きはマタイ受難曲終曲のあのメロディー(Wir setzen uns)と同じでよいのでしょうかね?

もっとも、速過ぎて何もできないのですが。

ヨハネうたい団の方をはじめ、ここにこだわりをお持ちの方のご意見をお待ちしますです。
どううたうべきかちと悩み中

追記:どの録音を聴いても、速すぎてこんな動きをしてるかどうか聴きとれませんw 演られてないのか、耳が悪いのか、よくわかりませんがまぁ勢いで行っていいのかしらん…
ちなみに最初の音の上に書いてある(本当はEsなのに)「(D)」は、絶対音感で混乱する時用の「聴こえる実音」のガイドです(恥)
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by cantotanto | 2010-08-07 09:21 | 合唱曲
【多謝】シュッツ会は凄かったデスよ!【長文】
昨日は初の試みなる単発イベント、「シュッツを歌ってみよう会」を堪能して参りました。
首謀者はシャイン会でご一緒しているか~のさんとアパッチあははさん。
参加者には学位審査を終えたばかりのシャイト研究者あひるんさん(久しぶりにご一緒できて嬉しかったです…ええ、最後までw)もいらっしゃり、もうこの数行の間に同年代の「ドイツ3S」が完成でございます。

mixi上を中心に、「その筋」の方々20名余がうまく集まり、参加者の中から1曲ずつ「仕切り係」と「オルガン係」を出す形で6曲をさらっと練習、最後に通す、というスタイルを取りました。
お題はシュッツのGeistliche Chormusik(宗教的合唱曲集)から、全部やると30曲近くあるので、まずは6曲。ちょうどいいヴォリュームでしたね。cantotantoのログ&雑感をば。

(すんごい長文になっちゃいました。ほどほどにお読みください)

[はじめに]
・か~のさんのぬかりない受付準備と最初に全員の自己紹介を持ってくる運びのうまさに感服。

[Also hat Gott die Welt geliebt, SWV 380]
・冒頭のAlsoのAの響きでこの日集まったメンバーの濃さとハコ(教会をお借りしました)の音響の良さにびっくり。これは凄いわ。以下、この響きが口々に「音取りが~(大汗)」と言ってた皆さんを助けたらしく、自然崩壊とかほとんどなかったのは素晴らしい!
・仕切り人ogurieさんは指揮らないで皆から音楽を引き出されるのが上手かった。最初に聖書の歌詞日本語訳の朗読から入られたのも流石。
・何もしないとおっしゃいながら最後のカデンツとかちゃんと手を動かされてたの、しかと見ながら決めさせていただきました。
・いやしかしcantotantoの声はトンがってていかんなぁ(録音聴いて反省)

[Herr, auf dich traue dich, SWV 377]
・仕切り人はシャイン会バスのまったさん。普段は全然違う団で歌っているので、仕切りされてる姿を初めて拝見。いやぁ、体験出来てよかったよかった。
・動きがだんだんバタバタしてくる曲も、一回ラララ唱を挟むと皆すごくまとまってくるのは流石。
・実はここまでの2曲はシャイン会で歌ってみてたのですが、人数がいるとまたいい響きが出ていいですねぇ。
・最後は速いスピードで落ち着いたのですが、実は最初はゆっくりから練習始めてたんですね。皆が走っただけ、というオチかもしれませんが。

[Ein Kind ist uns geboren, SWV 384]
・メサイヤのFor unto us a Child is bornと同じ出典の曲。RatはCounselerとイコールに見えない(苦笑)。シュトラウベ先生のワークショップで昔やりました。
・仕切り人はそのWSでご一緒してたペコリソさん。彼の仕切りもやわらかい彼らしさが出てましたねぇ~。
・この辺の曲からテキストがやたら多くなったり長くなったりするんですが、皆で確認しながら進めるのもまたアンサンブルならでは。しかし1パートだけheifen←helfenの誤植は盲点だわ。
・独和大辞典入りの電子辞書を出してきたのは私のほかはあひるんさんだけでした。ちなみに私のカバンにはポケットバイブルと掘り出し物お宝(?)CDも入っていましたw(←出番なしのモノ持ちすぎ)
・後から録音を聞き返すとテナーでの事故がいろいろあったようなのですが、自分アルトに合わせるので精いっぱい(?)で、乱入しようどころかあんまり問題に気づいていませんでしたわ。すんません。
#一応ソプラノに対してアルトは人数が少ない、ってことを気にしていたのです…後半忘れてますがw

[Die mit Tränen säen, SWV 378]
・この曲、歌ってませんw 僭越ながら(やってみて僭越すぎたことが発覚)オルガン係を最後に引き受け…たのが甘かった。
・仕切り人はシャイン会でご一緒のアパッチあははさん。「私を見て~~~~!」が素敵に似合う方はなかなかいらっしゃいません。ちなみに伴奏のカデンツ怪しい時も、一応横目でちゃんと動きは見てたのよ。技術が付いて行ってなかっただけで…orz
・この時代の形式なのか、ゆーっくり白い音符で始めたのに後半はどんどん刻みが細かくなって忙しい曲。最初は全部弾いてたんだけど、ところどころアカペラに近かったり(1パートだけ死守したり…orz)してえーっと本当にごめんなさいです。
・ちなみに録音を聞き返すと、cantotantoのいないアルトは統一された大人の響きで本当によかったですよ(…って訳でこちらも反省)。自信のないオルガニストが最初から小音量で演ってるのが可笑しいのですが、まぁ普段50人vsポジティフオルガンで練習するのに慣れてるのでこのバランスも好きなんです、と理由を後付けしておきます。

[Selig sind die Toten, SWV 391]
・この曲は本当にシュッツの傑作ですよ。死後の世界が安らかで幸せなものだと感じさせる曲のベスト3には入ると勝手に思っています。歌えてよかったー。アルバイトをサボる話ではありませんね(すみませんすみません)。
・で、その曲の天上的な響きや和音と和音がこすれる一瞬の不協和音を、皆さん確信的に作っちゃうんですよね。当日いきなり合わせでコレ。感涙モノです。
・仕切り人は一緒に歌えるのはカンタートの某Mアンサンブルでご一緒して以来のkatsu6243さん。噂にたがわぬ(?)ぼやき節は健在でして、「僕は指揮者ではないので」と繰り返しながら、曲の動かし所、そのココロを歌い手目線で的確に指示。(小さなseligをたたみかける所で)「自分が幸せなだけじゃなくて、君も、君も??って感じ」とか「これまでの人生で一番きれいに」なども皆によく響いていたのですが、秀逸なのは冒頭勇ましく入るテナーに「もっと幸せそうに(→一同爆笑)」!うまいっ
・4人の参加者で2パートを賄うテナーに仕切り人が3人いらっしゃる、という事情でソロ状態のワルキューレさんのお隣に途中からお邪魔してなんとTen2に!下3声の"sie ruhen"のてっぺんを決めた時は気持ちよかったなぁ(で、女声合唱のところはちゃっかり上にw)。ありがとうございました。

[Die Himmel erzählen die Ehre Gottes, SWV 386]
・今回のお題の中で一番テキストが多い曲(実はここで本番前対訳資料配布に挫折したという話も…orz)、しかもDoxologia付き。もちろん曲も長大でハデです。最初にしっかり時間を取って全文の訳を朗読いただきました。
・仕切り&オルガンはワルキューレ&あひるんご夫妻。家庭内事前合わせ済み、プロのオルガニスト様ですのでこのタッグは最強です。
・前述の事情でソロ状態の…いえ、しっかり美しいソロを聴かせてくださっていたkatsuさんのTen1に、途中からやはりお邪魔して好き放題(と言ってもいい意味ではあまり聴こえない)させていただきました。…すんませんでした。あのテナーは美味しかった~♪要所要所で先導パートになりつつ、ちゃっかり長い女声合唱はアルトにしれっと戻ってたりして。この辺になると慣れてきたのかあったまってきたのか、あんまりとがりすぎずにアルトに溶け込めた…と思いたい…。

いやぁ、曲の作りも多様なのですが、仕切りの方のカラーがにじみ出た練習でして、1曲ずつ受け持ち制は本当に楽しかったです。これだけの人材がいるんだから凄いわ!オルガンも分担したお陰で普段オルガニストの方も5曲歌えてますしね♪

で、前半後半の最後に3曲ずつの通し、最後の最後に6曲全通しをやったのですが、

・歌のほうでハイになってくると、余計にオルガンの指が動かなくなってくるorz
最後の通しなんか1個所Durの所mollの和音叩いちゃいました(テナーさんごめんなさいっ)
通低に徹しようと左手だけ残したら違う音弾いてたり(バスさんごめんなさいごめんなさいっっ)
 →もう伴奏役は何があっても引き受けない方が(自分と全体の)身のためじゃないかと。歌手に徹しよう…
#問題は同じことを去年も言っていたことだ(爆)
教会のオルガンを触らせていただいたのは本当に嬉しく、良い機会をいただいたんですけどね。

・要所要所にセットプレーがある:曲の最後のカデンツや、Die mit Tränen säenにあった緩→いきなり急3拍子 なんて動きの所はやっぱり「お約束の型」を皆で練習しとかないと決まりにくいんですねぇ。特に少し慣れてきた「通し」の辺りでは、めいめいが「こういう終わり」とか思ってるとどんどん仕切りの型の意図にハマりにくくなってく感が(苦笑)。やっぱり時間かけて作るべき場所もちゃんとあるんですねぇ
→そういう所あと1日かけて詰めたら、今日のメンツでそのままステージできますよ、という感じでした。

・伴奏のことであまりに焦っていて、最後の通しだけ愛機R-09で録音しそこねていたorz
→今回マイミクになっていただいたEtyさんにしっかり録音をいただいてチェックできました!ありがとうございます!!録音機の状況の違いもあるのでしょうが、最後の通しは本当にいい響きが乗っていましたね。改めてありがたいイベントに参加させていただいたものです。

・しかし「古めの曲のアンサンブルで、アルト(がorに??)埋もれないようにちょっと響きを立てたつもり(実際には尖って平べったいだけかな)」「テナーの人に声を合わせる感覚で頭声を張り気味にしたつもり」「アルトに熔けるように気を遣ってるつもり」の声の使い分けをやめるなり入れ替えるなりしたらまた違った使えようがあるんじゃないかととみに反省。いきなり回心は難しいけど、地道に実験してみましょうか。
#何か言ってやりたい方、ご意見どうぞお待ちしております…いや、声の件に限らずですが。

うわああ、徒然書いたらやたら長すぎに(大汗)。
歌った後のことは、機会があったら別にあげましょう。

首謀者のおふたりをはじめ当日ご一緒した皆様、本当にありがとうございました。
「次」も充分ありそうですので、またご一緒しましょう。是非!
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by cantotanto | 2010-02-13 02:47 | 合唱曲
天地はチェリで満ちている(誤訳未満)
いやぁ、やっぱり観返してよかったです、のチェリビダッケ満載のブルックナー3番練習風景。
彼が作る音楽が全て正しい、という訳ではないでしょうが、こう考えて表現するとこうなる、という非常に良い見本です。
このディスク、クルマ流しかけだけじゃもったいないので、楽譜を見ながらPCで鑑賞→実況してみます。(要長文覚悟)

セルジウ・チェリビダッケ ブルックナー: ミサ曲 第3番 ヘ短調 - リハーサルとコンサート - [DVD]

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[イントロダクション]
・ ステリハ(全員):キリエのの[K]からおもむろにスタート(結果的に最後まで収録)。
そう、アルトだけが音痴になる、この曲で一番不思議な響きが鳴るところ。編集の方、わかってるじゃないですか。
ここで「ブルクナ」とこの作品についての解説が画面半分ほど使った字幕で流れるのですが…日本語訳が凄い。「神経病院から釈放された」とか、英語版を見てようやっと単に「精神病院から退院」しただけだとわかりました。まるで動物パラダイスのようなクオリティ。酷すぎますよ(爆)

[M]は高音のソプラノが目立つけど、それを強調。下3パートを抑える。
131小節のffも柔らかい。この辺の進行もソプラノがリードする。
キリエの最後まで行っていくつか注文。
ホール(のような教会)の舞台だと後ろからの残響も大分ある。直接音で一つの音楽を作っているという意識を持たないと遅れる。
バス(恐らく合唱のほうの)がこれまでの練習でなかった合い方だったらしく、巨匠の心臓に負荷をかけたらしい(ここジョークに聞こえない)

ここで舞台上、合唱を1m前に出すための配置換え。マエストロがつべこべ言わせずどの楽器をどっちへと指示を出しまくる。
場所が決まったところでチューニングスタート。オーボエトップのファーストネームはミヒャエルだそうです。

[キリエ] 冒頭~[D]入り、
オーボエのA音とともにここでようやく曲名”KYRIE”のタイトル画面。

・場面はオケ+ソリストの合わせ(こんなのもあるんだ!):キリエ冒頭の弦楽合奏。
この後にもっと注文出るけど、チェリは「どのパートをうたわせるか」にかなぁりこだわる。和声を作る下の楽器、合いの手の楽器は抑えさせる傾向。
コーラスが入るところは楽器に何もさせない。譜面に書いてない女声の旋律がちゃんと倍音で聴こえる(これを外すなってことよね…)

・合唱ピアノ伴奏での本棒合わせ:2言目の“Kyrie"(15小節目)で場面切り替わる
合唱団の平均年齢は結構高め。本番CDよりも音は荒いが「何て美しく歌えるんだ」とまず褒める。
合唱冒頭は「無から生まれてくるように」始まる。練習したのよーって見せつけるんじゃないミサ曲の始まり方もある。
[B]の2つ前、Kyrieとeleisonの間はこの団では大胆にガバッとあけてる。
[C]へ向かう3小節間、上昇音型のフレーズを口ずさみながら楽器名まで紹介。ここでも「どの音を聴かせたい」という意思をはっきりと見せてる感じ

・[C]直前でふたたびオケ+ソリスト合わせへ
うまくつないでると思ったら37小節目が2回あるみたいw
Vnソロと他の弦楽の呼応、ここでも上手いなぁ。合唱がないといろいろ聴ける(個人的特性)
これまでドイツ語で稽古を付けていたチェリがMargaret Price(DVDオペラコレクションではアイーダしてた)に英語で「上昇音型のChristeのeを大きくしないで」と注文。

・合唱+オケの合わせ?でキリエ冒頭に返る
dimしすぎ!と合唱に叫ぶ。
最初は透き通るようだが盛り上がってきたらうたわねばならぬ。なるほど。
しかしオケが消えて教会風の合唱とホルンのロングトーンだけ残るのはきれいだなぁ。
「別の曲を合わせよう」というセリフから次の曲に行くかと思いきや…

・全員ステリハの、まだキリエ
「冒頭。神の意のままに」の一言から黙祷(?)少々、冒頭を始めるが1小節で止める。
弦のバランスに神経を集中させながら何度も止めては返す。やっぱり初っ端が大事か。
[A]に向かう3小節は無駄な肉をそぎ落とせ!センチメンタルすぎるとタンゴ調になるそうです。
ようやく合唱が入ると、合唱には表情と手で精いっぱい指示を出して20小節目で止めて褒める

[グローリア] [U]以降のフーガのみ(部分)
・合唱ピアノ練習のシーン。
ABセンセイよろしく(失礼)音楽史のレクチャーが始まってしまう。
グローリアのフーガは4/4で書かれたが、弟子たちが良かれと思って書いた改訂版(最悪との評)では2/2にされた。
ブルックナー自身が2/2で書いたのはクレドのフーガ。グローリアのは別モノです。
ではフーガ頭から、清廉さと歌詞の意味を出して、と指示。
テーマを浮き出させるためにあれこれ。テンポはゆるめ。
テーマ以外にはmpの指示を出している模様。これを徹底して守らせる。
テーマの跳躍音の低いほうの音へいかに滑らかに移動して響かせるか(ポジション変えるな、ってことかな。アクセントも付いているし)。あ、やっぱりがなっちゃ聞こえないっすね、アレ。
4パートのテーマ提出が終わった246小節目で次シーンへ

・今度はオケのみの合わせ
チェリ画像からいつのまにかカラオケ状態。ちゃんと合唱シーンから繋がりました(テンポは本番仕様に変わる)
うたが入らないとこんなにスカチャカスカチャカ刻んでるんだ、と思ったらやはりそこの噛み合い方は気にされてるとのこと。
[V]過ぎて少し(259小節)の所で止めて、今のはおとなしすぎた、とコメントしてから「最後に」と言って…

2倍テーマ登場の[Y]へいきなり飛ぶ。ここから最後まで。何か小節番号が違う気がする。
合わせの時間のお尻が決まってると、こういう終わり方ってありますねぇ…。

・流れで最後のアーメンズだけ全員ステリハに切り替わり。
323小節目ですか。2倍テーマとそれに付随する長いアーメンが終わった後ですね。
しかしこの曲の最後はハデですなぁ本当に。
そしてこの後のひとことでステリハはキリエとグローリアの間に休憩がなかったことが判明。タフだー。
"Zwelf Minuten Pause, Bitte"ってわかりやすいドイツ語だなぁ(表記には自信なし)

[クレド] [E}Et incarnatus estから[K]のsepultus est+ホルンの後奏まで
・いきなり本番です。皆さんの正装、ここで初めて見ましたw
すみません、テノールの方のヒゲ跡の青さにばかりつい目が行ってしまいます。コンマスの裏拍泣かせ節は良いですなぁ。
女声合唱がからむ[F]は、結構合唱も存在感ありますねぇ。強弱記号どおりにさりげなく入っていますが、ひと言目からあまりsottoしていません。
一方で[G]のバス低音は本当に聞こえるか聞こえないかの感じで登場。やっぱりテノール(後にアルト入り)と対立させると美しいですねぇ。
Crucifixusは人間の声の和声で勝負、ですねぇ。"sub Pontio Pilato"は大きいが強すぎない。その分をテンポ重くして強調している(きっとこのCDで覚えて自動的に遅くなる方、いらっしゃいそうです。ご注意あれ)。

本番なのでチェリは吼えませんし止めもしません(当たり前だが)。なんかもったいないなー。
正直クレドには稽古付けてもらいたい個所がいっぱいありますよ。イエス昇天(過去)と最後の審判(未来)に挟まれた唯一の現在形"sedet"が連呼されつつ転調していく所とか"judicare vivos"をひたすら叫び続けるアルトとかw

[ベネディクトゥス] 全曲
・オケのみ
頭の弦楽で叫ぶ叫ぶ。絡み合う旋律の中で最もドラマティックなテーマを常に浮き上がらせたい。チェロはここまで主役、1stVnに渡ったらもう主役じゃない、ってことを皆に意識させる。
キリエの冒頭と同じように繊細なチェリ節組み立てが行われます。
ソリストが入る部分からはむしろあまり指示なく…と思ったら、女声と同じ節を弦が弾く[A]のところで弓使いを細かく注文します。
オケが落ちるバスソリストの入りを"Domi-"と歌っていたのは気にしない方向で…
[B]直前で止めた指示から次へ

・オケ+ソリスト合わせ
ソリスト入りの18小節目から。ここまでこのDVDを観ていて、何が起こるかは予想できていました。
…ここはアルトが主旋律だから、とソプラノのMargaretさんに音量を抑えろ、の指示が出ました。案の定。
いや、この方すんごい高音をppできれいに歌える人なんでできちゃうんですけどね。
ちなみにこの時にアルトのDoris Soffelさんが「唯一の見せ場よ」と言ってるのが切実過ぎてあまり笑えません。
まぁ仲良しのようなのでなにより。確かに入りの音量で同じくらいに張り合っちゃうと、次の小節で完全に主旋律のアルトを食ってしまいます。ふむふむ。
[A]からの2小節ではバスのアーティキュレーションにダメ出し。言葉のアクセントを壊さない程度にフレーズに広がりを持たせろってことかな…難しい。
それではソリスト入りの1小節前から返しますよ、のバランスが実に良い。最初本番の音に切り替えたかと思ったくらいです。このアンサンブルは(アルトには夢のように)気持ち良いですわ。
#本番のCDよりもバランスが良いです。たぶん。
合唱の[B]直前の高音をチェリが口笛で吹いてましたよ。で、そこで止めて

・合唱ピアノ練習
合唱入りの[A]から。バスソロの影のあやしい女声のフレーズを、地上の人間の歌声に応える天使の役と解釈。
[B]前2小節間は無から生じる天使のこだまと表現。
venitの後ろにアクセントが行かないように。
[B]からはやはりテノールの主旋律を活かすバランスに。うん、何を聴けばいいのかわかりやすくて心地よい。

・オケ+ソリスト合わせ
合唱から男声ソリストに受け渡される35小節目でこちらに切り替え。
テノールの盛り上がりを中心に、大きく振る。
[C]のソプラノソロ、長い長い2回目も1回目と同じようにフレーズを作る。ってできるから凄い。
54小節からはオケにもppを要求。ここからは和声よりも、上から降りてくるフルート(byマキシさん)を聴かせることが重要。他は徹底したpp。

・本番
[D]の2小節前、フルートが降りてくるところから切り替わり。
[D]のpもしくはfのフレーズはpで行ってます。次の男声も決して強くはない。
しかしこの人が大事に振ってるところを聴くと、この曲は「ふわりと降りてくるものを暖かく迎える曲」なんだなぁ。
テンポをゆっくり、たっぷり使って、長~いフレーズを皆に歌わせます。つらいけど皆よくごまかしています(たぶん)
[F]から女声の単旋律になるところで音量を抑えさせる。で、合唱テノール主旋律でもうひと盛り上がり。
105小節目のfはむしろmpに近いmfくらいの落ち着きよう。そのかわり、Largoっぷりがハンパではない。
そして軽快なHosannaへ。うわー、Margaretさんの高音、細くきれいに跳躍しますよ(見た目とのギャップ(人のこと言えない)

[アニュス・デイ] [F]からラストへ
・いきなり本番。ソプラノソリストがそっと立ち上がり、pの合唱が始まるところから
とにかくゆったりとしたテンポで穏やか。その中で大きな波がゆーっくり迫ってきて、ゆーっくりまた返していくような。
でもちゃんと譜面の強弱通りの采配になってるんですよね。
[H]2小節目からのppアカペラはさらにゆっくりの独自のテンポの中で、ゆーっくり進行。うん。カデンツがわかりやすい。
そしてクライマックスの[J]で厳しさとにっこりの混ざった顔で、「そう、それがテーマだよね」と確認して振り続けるチェリ。
最後は静かなアカペラのdona nobis pacemに引き出された1フレーズで、終わり。
チェリ立ち上がり、コンマスと男声ソリストには握手を、女声ソリストの手にそっとキスを。
観客のいない、レコーディング用の本番での撮影だったのでしょうか。
DVDそのものも、あっけなく静かに終わってしまいます。

という訳で、曲のほんの一部しか提示できてない曲や、サンクトゥスに至っては出番がなかったりもしますが、
このヒトが何を考えて音楽を作りたいかがひしひしと伝わってくるDVDです。実際に歌うカ○レ団員は観るといろいろ勉強になります。
このヒトの合唱で歌えたら幸せですが…もう絶対にかなわないんだなぁ(合掌)
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by cantotanto | 2009-11-14 02:06 | 合唱曲
ヤマなし、オチなし、イミは(きっと)大いにある曲
近況もあんまり報告しておりませんでしたが、来週末にまた一つトシを取ります。
で、誕生日の週末土日を両方とも本番で埋めるという贅沢(…いや、暴挙だな)を予定しております。

当日な日曜日のほうは縁あってハイドンの「四季 Die Jahreszeiten」をお手伝いさせていただくことに。
急遽お邪魔の身でありながら、かなり好き放題させていただいてます。すみません。

今年は没後200年のメモリアルイヤーなハイドン、これまではあまり縁がなかったのですが、今年のはじめに「天地創造」を初めてナマで(+歌詞対訳付で)じっくり聴きまして、なるほどこれが「音楽の父」の音楽かとある意味感心していたところでございました。

[プチ解説] ハイドンの「天地創造」
ソリスト3人にはS:ガブリエル、T:ウリエル、B:ラファエルと天使の名前がついていまして、彼らが創世記冒頭の「神が天地創造をした7日間のいろんな御業」を語り、合唱隊が万歳万歳と神をたたえる造りの曲(極論)。底本は創世記…だと思っていたら、創造されたものを描写する生き生きとしたアリアを含め、ミルトンの「失楽園」をベースにした英語台本をパトロンの某男爵(後述)が独訳してテキストを選んでいた模様です。


で、今回はその後に作曲されたオラトリオ「四季」。
こちらも当時の「イナカの民衆の1年間」を描いた英文の叙事詩を翻訳しつつ、「天地創造」でもご活躍のパトロン、ヴァン・スヴィーテン男爵がテキストを作った…ということなのですが、これ
・実は歌詞が全然韻文じゃない(英文からの翻訳なので仕方ないけど、歌いにくいかも…)
・元の詩にいない人物を3人作ってソリストに充ててみた
・なんか、時々ちっとも詩的じゃない文があったりする
点で、かなり男爵の創作が入っている模様です(いや、芸術に非常に理解があり、音楽の才能もあるパトロン様なのですが)。

何でも、「『自然は我らの勤勉さに報いてくれた』なんていう詩的じゃない歌詞(←秋の収穫シーズン用)でフーガなんか書けるほど俺は勤勉じゃない」ってハイドンがキレたとかキレてないとかいう逸話付きだそうでして…(苦笑)

「天地創造」と同じようにソリストには役名がありまして、S:ハンネ、T:ルーカス、B:シモン(ズィモン?)…なんだけど、名前の出典はどこにもなし。ハンネが農夫シモンの娘、という設定があるそうなのですが、父娘の会話(?)は特になし。
しかも、春→夏と何もなかったところで、突然秋にハンネとルーカスの「愛の二重唱」勃発でびっくり。
その割にその後冬まで行っても、何かが発展した様子は全くなし。もちろんルーカス→シモンの「お父さん、ハンネさんを僕にください」も逆の「お前にお父さんと呼ばれる筋合いはないっ」も全くなし。そもそも、シモンは歌詞の中で名前を呼ばれることすらありません(苦笑)。
ただ淡々と、季節が一巡り、回って行きます。
いやはや、ストーリーにオチなしとは。びっくりです。(季節ごとの場面の流れはかなり面白いんですけどね)

そうそう、びっくりといえば、農夫シモンは畑に種を蒔きながら当時すでに有名だった「驚愕」交響曲の主題を口ずさんだりしていてなかなか上手いつかみを取ります。
また、歌詞の内容から、銃を使った狩り(ちなみにティンパニの銃声が鳴るのは秋の鳥撃ちのバスアリア)があったり高級品として「金の時計」なんてのが出てきたりして、宗教曲じゃわからない「時代感」が感じられて面白いものです。

自然の描写も「天地創造」以上に気合が入っていまして(この擬態音、擬音音(??)へのこだわりも男爵指示のもよう)、跳ねる子羊、飛び回る蜜蜂の群れ@春、日の出の前に鳴き始める雄鶏、ゲリラ豪雨(!)、お腹がいっぱいになったらちょっとふてぶてしい牛の群れ、午後6時の「夕べの鐘」(ソリストが現在形で「鳴ってる」って言うときには鐘が鳴り、合唱が現在完了形で「鳴った」って言うときにはもう鳴らない芸の細かさ!)@夏などなど、楽しい音がいろいろ入っています。

ちなみに夏の明け方から羊飼いが山に出る話に続く、太陽本体がじりじりと上がっていく描写に始まる太陽賛歌は、「日の出を描いた音楽」としては最高の完成度なんじゃないかと思っております。
#ダンナに言ったら「なんだその音楽ジャンルは」とツッコまれましたw
太陽の上の端がじわじわと出だしてからすっぽり地上に抜けるまで2分間(本当)、ちょうどいい具合で盛り上がります。


で、1年の節目節目に~~は神のおかげね、と賛歌を歌ってるだけなのか、と思っていると、最後の冬が実は凄く深く。「また暖かくなると第1部同様に花が咲く春が来るね~」ではなく、「この『厳しい冬の人生』を抜けて、いつか『永遠の春』に至るのだ」と一気に宗教的に高尚なところへぐぐっと主題が持ち上げられます。「民衆の暮らし」を題材にしたこの曲をちゃんと「オラトリオ」として意味づけるところはこのテーマと壮大な音楽が上手くまとめてるんじゃないかな、と思う次第です。

追伸1:東京某所でのこちらの演奏会、興味のある方はコメント等でお問い合わせください。ご招待可能です。
追伸2:タイトルは某オタク系用語の語源のもじりです。他意はあんまりありません。
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by cantotanto | 2009-08-17 01:09 | 合唱曲
N響アワーにひとこと。
フォーレのレクイエムを名曲として紹介してくださるのはありがたいし、
その中で確かに代表的な美しい曲ではあるのですが、

抜粋で放送するのがSanctusとIn Paradisumの2曲だけなのは

作品の退屈度と合唱団(ちなみに二期会)とオケのボリューム感とアルトの存在感に誤解を招くような気がしております。
#後者の曲なんかぼそっと"Jerusalem.”と"Requiem."しか出番がなかったような気が…

奈良のお寺と絡めて神秘的な曲の紹介だったのでしょうがないかとは思いますが…。

ちなみに奈良公園の鹿の映像と絡めたベートーヴェン「田園」にはちょっと衝撃を受けました(苦笑)。
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by cantotanto | 2009-08-09 21:27 | 合唱曲
「亀田のあられ」への愛(Best is the BEST?)
いやぁ、愛とは深いですなぁ。

何かとクラ界で熱狂的愛好者(と書いてマニアもしくはヲタと読む)が多いブルックナーですが、

1:コテコテの交響曲群(4番のみなぜか一般寄りと評される)
2:テデウムに代表されるゴテゴテのオケ付き宗教曲←ミサ3番もココ
3:アカペラ/薄いオルガン伴奏前提の宗教曲

の全てを平等に愛してる、って方のお話はなかなか伺えません。

私は2も3もイケルのですが、1はどうも押しの強さ(というか、押しの連続の強さ)に若干付いて行けず(同じ粘着でもマーラーくらいなよっとすると付いて行ける)。
前週のA井センセイによる練習(Gloriaのフーガ直前まで)時には、1は素晴らしくって3も面白いんだけど、2が何でこんなにつまんないんだろうってボヤキ入りでして。エントリー募集かけてる段階であまりけなさないでくださいよー、ってリクエストまで入っていました。

微妙な消化不良を抱えながら、クルマを走らせ、というか渋滞で詰まりながらひたすらブルミサ3番を聴きまくり本日の練習駆け込みをやっちゃったのですが、同じGloria(そう、結果的に復習モードでした。美味しいフーガの入り口は味わえましたが)の練習をABセンセイがやると…あれ、淡々としたアナリゼの中に曲への愛が垣間見える(あくまでも淡々と、なんだけど。)行ってよかった。楽しかったです。
平日モードで人数が多すぎないのも音の確認にはよかったのでしょうが、「アルトの下」の位置の席を取った割に回りに同パートの方がいなくて抜き出しの際には結構ビビりました。微妙な音程を確認したほうがいい曲だ、と気付いた日に限って録音機持って来てないしorz

Gloria最後の"In gloria Dei Patris, amen.”のフーガは、堂々としてかつ微妙に音痴っぽい主旋律w/金管を3種類ほどの音形の”Amen"が飾るカタチで、これを意識しながら聴くといやぁ細かいパーツもわかりやすい。で、まるでバッハ(やそれ以前の作曲者)のように、盛り上がったフーガの主旋律を倍の長さに引き伸ばしてからフィナーレ入り。
#バッハロ短調ミサ第1Credoのテノールみたいな感じですな。
しかもこの音痴っぽい旋律(失礼)が終曲のAgnus Deiでさりげなくかつ感動的に再現されるというコテコテぶり。やはりお約束はここまでやってもらうと気持ちよい(たぶん)。

で、渋滞ボヤキの際にチェリビダッケとヘレヴェッヘ-RIASの演奏を聴きこんでる、と書きましたが、彼らのブルックナー観はたぶん「1のコテコテ交響曲」寄りの演奏。特に譜面どおりのスピード感はヘレ盤で存分に味わえます。

しかぁし、帰り道に初めて再生してみた、昨晩iPodに突っ込んだベスト-Corydon Singers盤はオケと歌のバランスも、コトバの伝わり方も、何だろう、他の演奏と全然違うのです。アンサンブルがきっちり合った合唱(人数は多くもないが少なくもないはずだ)が前面に出ていて、ともすると金管に引っ張られるだけになりそうなフーガも、主旋律と飾りパーツ変形版とのぶつかり合い不協和音の一瞬がちゃんとわかるように歌が鳴ってる!ソリストのアンサンブルもベルカント然とせずに、憎いくらいにきっちり合ってます。そのくせ、合唱のロングトーンにかぶるオケのスケール「亀田のあられだ亀田のあられだ」がちゃんと前に出て来てる!
合唱が何をすべきかも、合唱が歌っている間にオケが何をしているのかも、他の演奏よりずっとよく聴こえます。まぁ、確かに他よりテンポはやや遅くはなっているのですが。「ブルックナーの1と3」の良さを(3寄りの所で)見事に融合させた感じで、これぞイギリス人のウタゴコロなのか、とにかく作品への愛を感じます。音取り目的なら迷わずこの盤を勧めたいところです。

内輪向けにベスト盤での困った発見を。
ピアノで音取りながらの練習だとどうしてもフレーズ間で聞こえて気になる「亀田のあられ」、実は歌っている間もあちこちで、しかもたまに「亀あられ」とか変形しながら鳴りまくっているので、オケ合わせで噴かないようにココロの準備が必要そうです。

でも、今日一番びっくりしたのは「亀田のあられ♪」の後に「おせんべい♪」と続くCMソングのフレーズを若い世代は知らないということ。うわぁ、こんなところにも「トシがバレるネタ」がぁ~~っ。
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by cantotanto | 2009-07-15 00:16 | 合唱曲