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眠っちゃ駄目っ! クーナウ:Tristus est anima mea
予告どおり、聖木曜日の真夜中のための音楽をご紹介します。

とは言っても、現在合唱団その2で練習中の曲なのですが。

あまり知られていない作曲家、クーナウ Johann Kuhnau(1660-1722)のモテット、Tristis est anima meaをご紹介します。

この曲が入っているこのCD、その名も「Bach's contemporaries(バッハの時代)」シリーズの1枚のようなのですが、この作曲者は同時代も同時代、バッハの一生勤めたライプツィヒの聖トマス教会の前任者、でございます。

しかし、彼の作品(カンタータとモテット)を聴いていると、バッハというよりはヘンデルかモンテヴェルディ(いや、これはちと古いか)あたりを聴いているような錯覚を覚えます。バッハより、いい意味で素直、そして古典的な造り、でしょうか。
素直にすかっと抜けるドミソのハモりの和音に、素直にぶつかる全音の不協和音。パートからパートに、素直に受け渡される同じ音。透き通った音の、わかりやすそうな構造の音楽。
裏を返すと、いかにバッハが斬新な複雑さを持つ音楽を書き溜めたのかがよくわかるのですが。

ドイツ語の派手目なカンタータが複数収録される中、この曲だけがラテン語テキスト、この曲だけがソリストなし、オルガン伴奏の合唱曲です。出典はマタイによる福音書、第26章38節。

最後の晩餐の後、オリーブ山での有名な「明日の朝鶏が鳴くまでに私を知らないと3回言うだろう」というペトロへの預言の話があり、その次のエピソードです。
一行でゲッセマネという場所に行き、イエスが弟子のうちの3人を伴って祈りを挙げる場面。夜通し祈りをあげるイエスは再三弟子たちに「私と一緒に起きていなさい」と言いつけるが、弟子たちは睡魔に勝てずその都度寝てしまい…。そんな時のイエスの嘆きが5声の合唱でつづられています。

ちなみに、この時の言葉が、「心は燃えても、肉体は弱い」というものでして、大事な授業、大事な会議での居眠りの言い訳に使えるとか使えないとか…(ツカエマセン)。


The King's Consortの、各パート2人ずつの小規模合唱が作品の透明感を大いに活かしているのは間違いありません。…合唱練習の録音、まだまだこの域に近づくのは遠いのです。せめて影を踏みたい。ええ。

バロックピッチ収録なので、音取りにも使えますよ >合唱団その2の皆様

<DISK紹介(CD)>
Kuhnau: Sacred Music
Johann Kuhnau Robert King King's Consort / Hyperion
ISBN : B00000DG20
スコア選択: ★★★★★

知られざるバッハの前任者、クーナウの宗教曲集です。バッハより素直な(失礼っ)美しい音楽が多く、癒し系BGMとしてもお勧め。美しさは多分に演奏者のお陰でもあるのですが。

(DISK情報の詳細はまた後ほどアップします。すみません…)
by cantotanto | 2005-03-25 00:39 | 合唱曲
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