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アスベスト、登場。
アスベストは、ドイツ語でもAsbest。

昨日の練習でマーラー「千人」第2部(久しぶり)を歌いながら、「おお、天使が今話題のアスベストを運んでる」と気づきました。
でも、正確には「死者の魂を運ぶのは、もしそれがアスベスト製だったとしても、いろんなしがらみが付いてるせいで骨の折れることでやんす」というベテラン天使さん達のぼやき(かなり意訳)でして、アスベストは「清浄で純粋なもの」の例えとしての登場です。

第2コーラス第2グループは、↑の下線部の条件節しか歌わないので、せっかくのきれいな場面で出番が少ないのが残念。



以前も書いたように、第2部の歌詞はゲーテ(1749-1832)の戯曲「ファウスト」の最終場面ですので、少なくとも当時にはアスベストという素材はものづくりの材料として普通に利用されていたことは間違いなさそうです。

今回の問題でアスベストによる腫瘍を発症された方、亡くなられた方にはお気の毒だと思いますし、予防できる労災で人が病むのは大変痛ましいことと思っております。
しかし、アスベスト暴露による傷病問題は今に始まったことではなく、工業的に扱う量の増加や診断力の向上から患者数が増えてきたのではないかと思っております。昔昔から、この素材を扱って病んだ方はきっとあちこちにいらしたのでしょう…。

そんなことにまで思いをめぐらせながら歌った日曜日でした。
by cantotanto | 2005-07-11 12:57 | 外国語曲のことばのこと
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