ヴェルディ「聖歌四篇」への思い入れを語っておく
コンサート前に出すつもりで、少しずつ書き溜めてたヴェルディ「聖歌四篇」についてのショートレビュー、というか、思い入れを完成させておきます。

過去からの思い入れの蓄積が一番多いのがこの曲なので。
ヴェルディ後期のバラバラの聖歌4つ、なのですが、一応ちゃんと曲順でやります。

ざっくりとバラバラ度合いを並べると

1.ラテン語の聖母賛歌。アカペラ混声
2.ラテン語の(イエス受難時の)聖母賛歌。派手なオケ付き混声
3.イタリア語の聖母賛歌。アカペラ女声
4.ラテン語の神への賛歌。ハデハデなオケ付き混声

ってな感じで、かなりの「微妙な非統一感」。これが、粒は揃っていないけど良い曲ぞろいなのですよ。

とりあえず、1曲ずつ語ってみましょう。

1. Ave Maria アヴェ・マリア
私の本番暦は3年ぶり2回目(って、甲子園かいっ)。合唱団その2で演りました。
おなじみの定型文を2回繰り返す間に、B→A→T→Sの順に「謎の音階」のロングトーンが背骨のように組み込まれた、不思議な響きのアカペラ曲。
「謎の音階」は本当に謎感ありで、C(半音)Des(1.5音)E(全音)Fis(全音)Gis(全音)Ais(半音)H(半音)Cを登って降ります。
まぁ、聴く側にとってはむしろこれにからむ他のパートの美しさを味わうべき曲なのでしょうが。

2. Stabat Mater スタバト・マーテル(悲しみの聖母)
こちらは3年ぶり3回目の演奏。私が合唱にはまり込んだきっかけとなった曲(過去2回とも)であることは以前語らせていただきました。実はがっつりとオケで歌うのは初めてです。
この曲、「十字架に磔(はりつけ)にされたイエスが絶命するとき、聖母マリアがその傍らでその様子を見て嘆いていた」というほんの短い時間を採りあげ、「聖母と一緒に私も嘆かせてください。私を守ってください」という祈りを込めた長い長い賛歌でして、ヴェルディも15分くらいの時間がかかる曲に仕立てています。磔シーンの恐ろしさ哀しさと、祈りのやさしさ美しさを上手く出せれば言うことないのですが…本番頑張ります。
中盤にアルトの美味しい美味しいパートソロがあるのですが、譜面どおりにいろいろいじれる演奏は初めてなので結構楽しみです。ポルタメントとか、本気で演ります!

3 Laudi alla Vergine Maria 聖母マリアへの賛歌
この曲は本当に初めて。「女声合唱」の曲をちゃんと演るのも、本当に久しぶりです。
私もうたうアルト2が本当に低くて、「女声合唱での通奏低音」の役割をしっかり果たす感じ。結構楽しんで歌っています。
実はこの曲を今年のGWのカンタートのクロージングコンサート(のステリハ)で聴きまして、この時の演奏が「女声合唱団複数が集まった、女声合同ステージ」で非常に美しかったのです。女声合唱慣れしていないメンバーで、同じホールで、どんな響きができるのかドキドキです。

4. Te Deum テ・デウム
この曲も初めて。いやぁ、今回オケ付きで練習して思いましたが、これこそ生で聴くべき曲ですよ。
最初男声のみのグレゴリオ聖歌風旋律→アカペラのppコラールで曲が静かに進むので、CDだとボリュームを上げないと聴こえない。そこへドカンと天使のSanctusがぶつけられて慌てて音量ダウン→今度はその先の静かな部分が聴こえない…ってな感じが繰り返される、ダイナミクスの妙がオーディオファイルを邪魔する曲です。どうぞホールでガツンとやられて下さいませ。
この曲の歌詞は時代が古いため、ほとんど聖母マリアには経緯が払われていませんが、「イエスが人になるために乙女の子宮(に入ること)を厭わなかった」という3番と同じ切り口の歌詞が出てくるのが結構面白く。ヴェルディがこの四篇をまとめるための題材選びに何かを意図してたとしたら、たぶんここをキーにしていたのじゃないかなぁ…と。
あ、そうそう。↑の歌詞の部分、1コラアルトの美味しい美味しいパートソロ、やらせていただきます。ふっふっふ。
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by cantotanto | 2006-06-25 00:35 | 合唱曲
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