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【明日の日比谷ノート】「農」な皆さまに栄光あれ!(嬉)
例によって「前夜裏プログラムノート」です。
うっかり(確信犯か?)リハレポートを入れたらアクセス数が増えておりますので、明日お越しの方の助けになれば幸いです。
#流石、某巨大掲示板で一部マニアの祭り開催中のイベント(の協力公演)だけあります。

しかし、ハードスケジュールにつき、過去の資源を活かしつつ、最小限の記事お許しくださいませ。

・祝典序曲:本日、合唱集合のロビーで壁越しに聞きかじる。←古い建物、ホールとロビーを隔てるのは壁1枚(ドアも二重ではない)なので本当によく聞こえます。遅れてきた人はロビーで騒いじゃダメなようです。
某掲示板で未聴の告白もちらほらあったので、マイナーな曲かと思いきや、ものすごく既聴感が…!手元のCDで「森の歌」の前の1トラック目に入っていた曲でした(苦笑)
ファンファーレ!って感じのナマ感が、あのハコだとストレートに飛んできて、きっと楽しそうです。

・ジャズ組曲:本日、合唱解散後に用事があって訪ねたオケ楽屋で聞きかじる。←舞台袖の楽屋にも放送以前に直のナマ音が飛び込んできます。すましたジャズ、っていうか、大道芸っぽい雰囲気の親しみやすい音楽が満載ですねぇ。本番はたぶん袖(という名のロビーの一部)で壁越しに聴けるかと思います。

・森の歌:合唱の出番はココ。
私見曲解説は以前書いたので、こちらでよろしくお願いします。

で、本番会場で合わせてもやはり一番難しいのは5番の超高速曲でした。手持ちのロシア人演奏CDの中で一番速い演奏とほぼ同等もしくはやや速、になりそうなのですが、その録音では、「最初の主旋律のピッコロが転び(吹けてない)」「次の主旋律のヴァイオリンが転び(弾けてないし揃ってない)」「合唱が母国語なのに転んでいる(子音、すっ飛んでマスよ…)」という素晴らしい行進が繰り広げられていました。
#ちなみに、母国語ロシア人が"должны(2音節で「ダルジュヌイ」とお読み下さい…って…)”という言葉だけ、短い音符のリズムを崩してまでちゃんと発音してたのが気になって言語指導のセンセイに伺いましたら、「~ねばならない」という助動詞なんだそうです。ほう。

それに比べれば(比べるな)うちのオケはちゃんとよく弾けてると思うしコトバも…がんがります。正直、マエストロの要求どおり進むと子供たちが植えた木々を猪突猛進の大人たちがなぎ倒して通っていくような雰囲気かもしれません。すげー。

児童合唱は暗譜で臨んでいるのに本日発音駄目出しがあったりで混乱しちゃわないかちょっと心配。でもこの1ヶ月で本当に「しっかり歌う児童合唱」の雰囲気を作り出してて流石~と思っております。マエストロ曰く彼ら(いや、90%以上女の子だけど)が「日本の未来の象徴」ですので、暖かく見守ってあげてくださいませ。



で、何だかんだで語っちゃってますが、まだ語ってなかったのが7番のСлава→Slava(Gloriaというか万歳というか)です。
森の歌の流れ自体は「戦火で焼け焦げた大地、旱魃で実りのない大地を皆でどうか緑に(1~3番)」「子供たち(の共産主義組織)が木を植えよう(4番)」「大人たち(というか青年共産主義組織)が緑を増やそう(5番)」で、「緑になった未来の国土の平和な様子を感動的に(6番)」という風に一段落しています。
そこで更に、木々が連なる様子を(兵士が連なる様とも掛けてますが)最初フーガで、やがて大合唱となって表し、更にソリストと呼び交わす「レーニンの党」「コミュニズム」を讃える賛歌となって行くのが7番。

ただの共産党賛歌、かと思いきや、Slavaという言葉が捧げられているのは「指導者」はともかく「農業指導員」とか「農業技術者」とか「園芸技師」とか、そんな肩書きがいっぱい!
農業の現場にも優しい曲だったのですね(うるうる←そんな字の付く学部に縁あった故)。
国土の豊穣は1枚1枚の畑から。冷戦やら核保有やら宇宙技術競争やら、そういう「ソ連」イメージとはまた違った戦いが、確かに現場でなされていたのです。
と言うわけで、個人的には"Slava agranomu"(←敢えてアルファベットしましたが"agriculture"と同根の言葉ですね)に特に思い入れを強くしております。

今回はスターリン抜きの改訂版での演奏ですが、スターリン賛歌だった初版でも、ちゃんと彼を「未来の園の園芸師」と讃えて(!)いたようです。

優しい、とは言いながらそこはショスタコのジャンジャカ曲。最後は暴力的なまでのSlavaの応酬で締めさせていただきます。合唱が息切れしているのがバレないように、しれーっとした顔のまま叫び続けたいものです(願望)。






本日帰りにちょっと寄り道した「大感謝祭」実施中のDisk Unionクラ館で、たまたま来年2月のダスビさんのチラシを見つけました。今月できたチラシのようなので、O先生つながりもあり、きっと明日プログラムに挟み込まれるものと想像しております。結構読み応えがあって、ショスタコに限らず世界のあれやこれや(帝政ロシアから9.11まで)に思いを馳せられる名作となってましたよ。お楽しみに。
by cantotanto | 2007-11-25 00:13 | 合唱曲
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