人気ブログランキング | 話題のタグを見る
のびのびオルトナー先生、満喫しました♪
3日は、GWで混雑する高速を飛ばしてY美さんと2人で朝からTokyo Cantatの地方サテライトセミナーへ行って参りました。
実は東京に行く方が近かったりもしますが、お知り合いもいろいろ出られることもあり、とにかくこっちを楽しんで来ようと。

…結果、行って正解でした。運転&一日中イベント疲れは残りましたが、得たものは多かったです。
後から気付いたのですが、オルトナー先生のセミナーって、今年東京では開催なかったのですね。通訳の横尾先生の的確さも含め、とても気持ち良く勉強できました。

内容は東京の「セミナー」と「公開レッスン」を朝から夕方まで詰め込んだ形で、

午前:女声クラスの全体セミナー
メンデルスゾーンのDuettoを二部合唱として使用。
”Abschiedlied der Zugvögel(渡り鳥の別れの歌)"と”Herbslied(秋の歌)"の2曲。どちらも
「人使いが荒い」メンデルスゾーンにしては珍しく、歌詞が多すぎなくて歌いやすい曲。
フレーズの扱い方、特に魅力的なルバートとその解釈をいただいたので、これは二重唱にしても使えそう。皆が言葉付けてきれいに歌えるところでやっと、の感があったのはちょっと残念。
か~のさんにもレポートいただいていましたが、短母音を本当に短く処理、とか、"alle"等でのゲミナータの子音具合とか、語尾の[t]とか[p]とかここまで立てた方がいいよとかかなり大胆な実例を一杯いただきましたが…全体的にはまだ「ウナギ人間」現象は残っていたかなぁ…。

午後前半:混声クラスの全体セミナー
お題が何と、Mozartの”Ave verum corpus"とArcadeltの”Ave Maria"という、超定番かつ単純と思われそうな2曲。
特に目からウロコだったのは前者で、ラテン語の歌詞のリズムからアナリゼを発展させて、まずは8小節×4連の単純なコラールに落とし込んじゃって、そこからモーツアルトはこれだけ発展させてるんですよ~っていうのをわかりやすく「実演」させちゃう。曲のヤマとキモも見えやすくなって、面白かったです。
後者も。いろんな音形の”Ora pro nobis"を「ママーお菓子買って~」とねだりまくる子供のモノマネで実に端的に表現。今思えばこの辺りからセンセイノリノリだったんですよねぇ。

そうそう、「ラテン語では最終音節にアクセントは決して来ない」ことを利用し、「フレーズ最後の音(日本人押しがち)は音を活かしたまま思いきりdim.」と繰り返し指示していました。"natum de Maria Virgine---"辺り「苦しいのに4拍あるのをきっちり表現してますよー」となりがちな曲なのでこれも目からウロコでした。はい。
一方で、(公開レッスンでしたが)"alleluia"はいろんな作曲家がいろんな場所にアクセントを置いている、という解説もあり、なるほどこの辺りの「外来語」は自由度高いのね、というのも勉強になりました。

午後後半:公開レッスン5団体
ラテン語の宗教曲が3団体(ラインベルガー+古い人)、シューマンの世俗曲が2団体3曲とバランスが良かったのですが、混声団体が1つだけだったのがちと残念。
女声合唱が元気な土地柄ですからねぇ…

センセイのノリノリ指導は対合唱団に留まらず、指揮者に手取り足取り指導も時にあり。(アウフタクトに力入れると逆に歌が入りにくい、とか、見てわかりやすいけど実践はなかなか難しいコツなども随所にありました)
世俗曲の状況解説に熱弁振るう際にはボディタッチからハグから何でもあり(??)で、触られなかったのは唯一の男性指揮者だった混声団体のT先生だけ、でした。センセイ、ちょっとのびのびし過ぎデス。

シューマンの女声世俗曲は、最初に通して「きれいに聴こえるけどどんな歌かな~」な曲が、センセイの「1番・2番…と連ねる有節の曲は毎回曲想に差を付けないといけない」という指示と、わかりやすい歌詞の情景解説で、あっという間にドラマティークでロマンティーシュな作品が仕上がってしまいました。「ドイツ語は勿論、恋もまだ教わらないと…」と顧問の先生に紹介されていた女子高生軍団の"Der Wassermann(水の精)"、最後は凄い略奪劇&最後の嘆きのAde-が実に見事に表現されてただただ感激でした。
#ロマン派らしいロマン派曲もいいなぁ、と再認識でした。秋に演りますが♪

ここでもドイツ語の「短母音+子音一杯」単語の表現方法が強調されていて、カ○レでも苦労した"setzt"とか「ほっといてよ!」の場面の"lass”辺りのニュアンスはなるほど。更に「ここの"weh"は蜂の一刺し(横尾先生通訳)」等、おお、こんな音があったか、ないいドイツ語をいろいろ聴いて来れました。

終了後のご挨拶でも、各コマについての講評をすんごく長く(そして通訳は適切に短めにw)熱く語ってみえて、どうやらこちらの地を気に入ってくださったご様子のオルトナー先生。おお、良かった良かった。
挨拶の最後に「音楽を楽しむ一番の方法は、一緒に歌うこと」を格言っぽく、熱く残されました。うんうん。いい言葉です。

最後の最後に客席から歌ったAve Verum Corpusで、自分の周りが全員別パート@歌える身内 だったのも気持ちよかった(個人的に)です。





皆ほぼ撤収、T先生ご一行がどこか行くのかなーと様子を見ていたときに、オルトナー先生&通訳の横尾先生がお2人で帰られるところに偶然ばったり。

短い時間に
・明日朝のMT公開レッスンに行きますよー と
・2年前、ペンデレツキでお世話になりましたー を
日本語で挨拶してしまいました(横尾先生、通訳すみません)

で、その時点ですっかり忘れていたのですが、ドイツ語圏の先生と鳥の歌に合わせて着て行った、大きな文字で"ICH SINGE WIE DER VOGEL SINGT ...(本当はもう少し長文だけど「私は鳥が歌うように歌う」のドイツ語)"と書かれたgranighのTシャツに目を留めていただき、"SUPER!"と褒めて(ウケて)いただきました。
…中身が伴っていればいいんですけどねー(sigh)
by cantotanto | 2008-05-04 03:21 | うたいに行くこと
<< 【Project Z】新居着々... 拝啓、道の上から… >>