合唱仲間に「これは凄いから」とのコメント付きでお借りした一品。確かに凄い。押しが強い、というか、濃いのだ。それでいて、いかにも現代のイギリス合唱音楽の要素が全部入っている。でも濃すぎ。
濃縮果汁還元の100%ジュース、というのがあるけど、イギリス音楽を絞って、濃縮して、うっかり150%の濃度で製品にしてしまった、とか、そんな感じ。 ちなみに、同じモノを絞って、そのまま静置して澱を沈ませ、上澄みだけをそっとすくってちょっと小粋なグラスに注いだのがラターかな(ひいきの引き倒し)。 ベルシャザールというのは、旧約聖書ダニエル記に出てくるバビロンの王(史実では王子)の名で、エルサレムの神殿から奪った杯で酒を飲もうとしたところ、(イスラエルの神の怒りによる)不吉な予言をする手が現れ… という聖書物語が題材になっている(ジャケット画像右上で光っているのが手と、予言の文字)。 …のですが、物語性とか以前に、曲が濃い。演奏が濃い。 ストーリー展開にあわせて音楽がドラマティックに…というより、曲のほとんどがドラマティック(言い過ぎか?)。 この曲のラストなんか、ああ、曲終わるな~という感じになって一旦落ち着いてから、アレルヤ唱がひたすら続き、これも終わったな~と思ったらアレルヤ再開。今度こそ終わったと思ったら、オーケストラの後奏が残り、いかにも終り~って感じのオーケストラヒットが計7回。しかも最後のは長い。しつこいっつーねん(突っ込み)。 #イメージはホルスト「惑星」の火星ラストの引っ張り方が、もっと派手になったというか… でもね。本当にイギリス現代音楽の正統は間違いなく貫いている。ブリテンやホルストやハウエルズや、今も生きてるラターにもつながる雰囲気は、間違いなく1931年のこの曲に入っている(一番似てるのはラターかな。彼の使うポップな変拍子とか、打楽器の使い方とか、かなりこの方を引いてないだろうか)。でも、濃い。そして若干粗暴な感じ。 この録音、そんなに古くはないんだけど、最新モノに比べるとちょっと透明感に欠ける…のかなぁ。でもこの曲、この演奏の派手さ、粗暴さの前にはそんなこと関係ない。元気で派手な音楽、オーケストラも合唱もフルパワーな演奏を聴きたい、という方にはいいのではないでしょうか。 <DISK情報(CD)> (cantotantoのではなく、借り物で評) Walton: Belshazzar's Feast; Coronation Te Deum; Gloria Gwynne Howell Stephen Roberts [バリトン] Sir David Willcocks[指揮] Bach Choir[合唱] Philharmonia Phil[オケ] / Chandos スコア選択: ★★★★ とにかく曲が派手、演奏も派手。異端児のようでいて、実は正統派のエキスを全部含んでいる、イギリス現代音楽の「最濃峰」。 サー・ウィリアム・ウォルトン(1902-1983):ベルシャザルの饗宴 その他の演奏者 Ameral Gunson[アルト] Neil Mackie[テノール] Stephen Roberts[バス] John Scott[オルガン] 録音: 1989年4月 All Saints Church(ロンドン?) 入っている曲 オラトリオ「ベルシャザルの饗宴」(1931) Belshazzar's Feast 戴冠式テ・デウム Coronation Te Deum グローリア Gloria
by cantotanto
| 2004-07-25 04:56
| 合唱曲
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