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「亀田のあられ」への愛(Best is the BEST?)
いやぁ、愛とは深いですなぁ。

何かとクラ界で熱狂的愛好者(と書いてマニアもしくはヲタと読む)が多いブルックナーですが、

1:コテコテの交響曲群(4番のみなぜか一般寄りと評される)
2:テデウムに代表されるゴテゴテのオケ付き宗教曲←ミサ3番もココ
3:アカペラ/薄いオルガン伴奏前提の宗教曲

の全てを平等に愛してる、って方のお話はなかなか伺えません。

私は2も3もイケルのですが、1はどうも押しの強さ(というか、押しの連続の強さ)に若干付いて行けず(同じ粘着でもマーラーくらいなよっとすると付いて行ける)。
前週のA井センセイによる練習(Gloriaのフーガ直前まで)時には、1は素晴らしくって3も面白いんだけど、2が何でこんなにつまんないんだろうってボヤキ入りでして。エントリー募集かけてる段階であまりけなさないでくださいよー、ってリクエストまで入っていました。

微妙な消化不良を抱えながら、クルマを走らせ、というか渋滞で詰まりながらひたすらブルミサ3番を聴きまくり本日の練習駆け込みをやっちゃったのですが、同じGloria(そう、結果的に復習モードでした。美味しいフーガの入り口は味わえましたが)の練習をABセンセイがやると…あれ、淡々としたアナリゼの中に曲への愛が垣間見える(あくまでも淡々と、なんだけど。)行ってよかった。楽しかったです。
平日モードで人数が多すぎないのも音の確認にはよかったのでしょうが、「アルトの下」の位置の席を取った割に回りに同パートの方がいなくて抜き出しの際には結構ビビりました。微妙な音程を確認したほうがいい曲だ、と気付いた日に限って録音機持って来てないしorz

Gloria最後の"In gloria Dei Patris, amen.”のフーガは、堂々としてかつ微妙に音痴っぽい主旋律w/金管を3種類ほどの音形の”Amen"が飾るカタチで、これを意識しながら聴くといやぁ細かいパーツもわかりやすい。で、まるでバッハ(やそれ以前の作曲者)のように、盛り上がったフーガの主旋律を倍の長さに引き伸ばしてからフィナーレ入り。
#バッハロ短調ミサ第1Credoのテノールみたいな感じですな。
しかもこの音痴っぽい旋律(失礼)が終曲のAgnus Deiでさりげなくかつ感動的に再現されるというコテコテぶり。やはりお約束はここまでやってもらうと気持ちよい(たぶん)。

で、渋滞ボヤキの際にチェリビダッケとヘレヴェッヘ-RIASの演奏を聴きこんでる、と書きましたが、彼らのブルックナー観はたぶん「1のコテコテ交響曲」寄りの演奏。特に譜面どおりのスピード感はヘレ盤で存分に味わえます。

しかぁし、帰り道に初めて再生してみた、昨晩iPodに突っ込んだベスト-Corydon Singers盤はオケと歌のバランスも、コトバの伝わり方も、何だろう、他の演奏と全然違うのです。アンサンブルがきっちり合った合唱(人数は多くもないが少なくもないはずだ)が前面に出ていて、ともすると金管に引っ張られるだけになりそうなフーガも、主旋律と飾りパーツ変形版とのぶつかり合い不協和音の一瞬がちゃんとわかるように歌が鳴ってる!ソリストのアンサンブルもベルカント然とせずに、憎いくらいにきっちり合ってます。そのくせ、合唱のロングトーンにかぶるオケのスケール「亀田のあられだ亀田のあられだ」がちゃんと前に出て来てる!
合唱が何をすべきかも、合唱が歌っている間にオケが何をしているのかも、他の演奏よりずっとよく聴こえます。まぁ、確かに他よりテンポはやや遅くはなっているのですが。「ブルックナーの1と3」の良さを(3寄りの所で)見事に融合させた感じで、これぞイギリス人のウタゴコロなのか、とにかく作品への愛を感じます。音取り目的なら迷わずこの盤を勧めたいところです。

内輪向けにベスト盤での困った発見を。
ピアノで音取りながらの練習だとどうしてもフレーズ間で聞こえて気になる「亀田のあられ」、実は歌っている間もあちこちで、しかもたまに「亀あられ」とか変形しながら鳴りまくっているので、オケ合わせで噴かないようにココロの準備が必要そうです。

でも、今日一番びっくりしたのは「亀田のあられ♪」の後に「おせんべい♪」と続くCMソングのフレーズを若い世代は知らないということ。うわぁ、こんなところにも「トシがバレるネタ」がぁ~~っ。
by cantotanto | 2009-07-15 00:16 | 合唱曲
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